―Snipe Of Love―
「○○、この画像要る?」
△△は画像の中の○○とピアーズを指さした。
○○はその画像をもう一度見つめる。
欲しい。
素直にそう思った。
ピアーズに手を握られている自分は凄く嬉しそうに笑っている。互いに見つめ合う顔のアップなんか、本当に凄く優しく笑っていて・・・。そんな自分が何だかいつもよりもかわいく見えて嬉しかった。自分はこんな風に笑うんだ。この表情いい感じだな、なんて思ったりして。どうしてかわからないが嬉しかった。
自然な笑顔で優しく微笑む2人。
いつもこんな風に笑えたら、かわいくなれるのかな。
そう思った。
それに、あの日が楽しかった。
「△△、この画像、貰っていい?」
○○は笑った。
その言葉と同時に、ピアーズは赤くなった顔を上げた。
仕事が終わり店の裏口を出ると、○○は携帯を開いた。結局、あの画像を全て貰ってしまった。一つ一つ画像を見ながら、口元を緩ませる。
「あんた、あの画像、貰ったのか?」
いつものように、ピアーズが缶コーヒーを差し出した。○○が画像を貰ったことは知っているが、改めて確認したいピアーズ。知らないふりをして、わざと訊いてみた。
「はい!貰っちゃいました!!」
そう答える○○は凄く嬉しそうで、それを見たピアーズも、つい口元を緩ませる。
「そうか」
ピアーズは、○○が画像を貰うよりも前に、全ての画像を貰っていた。その画像を見て、いつもよりも自分が恰好よく見えるだの、○○がかわいいだの、“恋人同士みたいだ!”だのと、色々と喜んでいた。このことを、○○は知らないのだが。
○○も画像を貰ったのだから、2人とも同じ画像を持っていることになる。
未だ嬉しそうな○○を見て、ピアーズは凄く嬉しそうに微笑んでいた。
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