Touch Each Body!
―Snipe Of Love―

 『普通に接してくれ!』なんて言われるから、逆にどう接するべきか迷ってしまう。つい先日まで近寄らないようにしていたとは言え、「普通」に接していたというのに。

 普通じゃなかったのって、寧ろ二ヴァンスさんだよね。

 ○○はカウンターの端からピアーズを見やる。頭の中には、今までの彼の数々の「普通じゃない接し方」が浮かんだ。

 でも、二ヴァンスさんは―。

 ―『・・・俺が、あんたを嫌う・・・?いやいやいや!そんなことないっ!』

 本当に嫌われてないのかな?だとしたら―。

「フライドポテトできたぞ〜」

「は〜い。今持って行きま〜す」

 厨房から聞こえた声に○○は返事をする。訊けば、フライドポテトはピアーズのテーブルへだそうで、早速“普通”に接する場面の到来である。普通に接してくれと言うのだから、言った本人も普通に接してくれるのだろうか。

 だとしたら―、次からは・・・眼を逸らさないでいてくれるのかな?

 やたらと混んでいる今日、○○はそんなことを考えながらピアーズのテーブルに向かった。


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