「ロマーリオ!お兄さまが帰ってくるってほんとう?!」
「ああ、もう着くそうですよ」



キャバッローネのボスである私のお兄さまがジャッポーネに飛び立ってから一週間。どうもまたリボーン君に呼ばれてボンゴレ十代目のところに行ってるらしくて。今だからもうこんなことはなれてしまったけれど、最初は心配だったの。だって、その、…ボンゴレ十代目っていうのがあのお兄さまがわざわざ会いに行かれるくらいに素敵な女の人なのかと思ったから。(それを言ったらお兄さまもロマーリオも他の人たちもお腹抱えて笑っていたんだけど)



「きっとボンゴレ十代目と一緒にリボーンさんにしごかれてんだろ」
「ふふっ、綱吉さんの方がしっかりしてるものね」
「ボスが聞いたら泣くぞ、お嬢」
「あら、そうかしら?」



お兄さまだってしっかりしてるしかっこいいと思ってるわ。…部下がいればの話だけど。部下がいないと本当にへなちょこなんだから!


「そういえば、お兄さまは何でロマーリオを連れて行かなかったの?」
「お嬢が心配だから、見ていてくれって頼まれたんですよ」
「お兄さまったら…、」


ロマーリオを置いていって、私の方が心配だわお兄さま。それに私だってもう13歳、そんな子供じゃないのになあ


「それだけ愛されてんですよ、お嬢は」
「かなりのシスコンだけどね」
「おいおい、酷い言われようだなあ」
「!?お兄さま!」


いきなり私とロマーリオ以外の声がして、見てみればそこには今まで話題になっていたお兄さまの姿が。どうして?って帰ってくるって言ってたんだから何もおかしくないんだけど、けれど、あまりにもいきなりすぎてびっくりした



「元気にしてたか?なまえ」
「はい!…というかたった一週間なのに」
「一週間も、だよ。お前に会えなくてさみしかったんだぜ?」
「もう、そういう口説き文句は素敵なお姉様方に言ってあげたら?」
「なんだよ、怒ってんのか?」
「ふふっ、まさか」


心配そうに私の顔を覗き込んでくるお兄さまの表情がおかしくて思わず吹き出してしまった。私がお兄さまに対して怒ったりするわけないのに(まあ、事によっては、なんだけど)



「お兄さま、私もさみしかったです。…少しだけ」
「なっ、少しだけかよ?」
「…だってロマーリオがいてくれたから」
「まあ、あいつをお前につけたのはオレだけど…」
「でも、」


でも、やっぱりお兄さまがいないと。
少し恥ずかしいさを感じながらも思ったことを口にすれば、目の前のお兄さまの綺麗な顔は嬉しそうに満面の笑みを浮かべた




「お帰りなさい、お兄さま!」
「…ただいま、なまえ」


そう言ってお兄さまに抱きついた私と、そんな私を抱きしめてくれたお兄さまを見てロマーリオが、「お嬢もかなりのブラコンだな」なんて言っていたのを、私は知るはずもなかったのです











(会えなかった分、たっぷり甘えちゃおう!)
end.


090405 杏雨



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