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ストーカーから恋人になって早、半年…。

私はストーカーだった時の癖が抜けずに今日も待ち伏せ中。


半年前に根負けしたみたいに土方さんはポンポンと私の頭を撫でて小さく笑った。


〔俺の負けだ、もう俺の女になりゃあいい〕


私はあの時の土方さんの顔を多分一生忘れない。

土方さんの恋人になってから私はこれからの人生ずっとずっと土方に尽くすと誓った…いや、正確にはストーカーになってから…いや、初めて土方さんと会ってから…いや、もしくは土方さんに出会う前?…うん、キリがないな。


〔何だ…んな顔も出来んだな〕


そう笑って私の頬を撫でてくれた初めての夜…


『っ〜…!』


思い出しただけで顔から火が出そうな程恥ずかしい。


ストーカー仲間だった局長さんは私達が恋人同士になったと知らせた時、それはもう親のように喜んでくれたのも記憶に新しい。


〔酢昆布、もうんな事する必要ねェだろォ?〕


ストーカー行為が抜けきらない私に土方さんがそう言ったのもつい先日の事。


『仕方ないじゃない、本当はまだ実感無いんだもの…』


屯所から土方さんが出てくるのを待ちながら私は一人呟いた。


『始まりが始まりだけに、ね』


正直ストーカーが恋人になれるなんて私は思っても居なかったし、ストーカーとしてでも土方さんの目に映ればそれで良かったし…。


〔気にはなってたんだよ…だが立場考えるとな…お前を危険な目に合わせたくなかったのが正直な所だ〕


そう少し顔を赤らめて言ってくれた土方さん。


『実感出るまでは…いいでしょ?土方さん…』


小さく呟けばパシッと紙で頭を叩かれる。


『っ…!』

「はぁ…ったくお前は…」


呆れた顔の土方さんに私は苦笑いを浮かべた。

な、なんで?なんで後ろに居るのですか、貴方様は…。


「何が実感出るまでは、だ。ふざけやがって…」


何かあったらどうすると煙草を吹かす土方さんを私は呆然と見つめる。


「んと馬鹿だな、酢昆布は。」


で、何してたんだ?あ?と土方さんのこれ以上ない笑顔に私はレアだと思うと同時に凍りついた。



(え、えーっと…待ち伏せ失敗?)










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