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『…晋助…重い』

「……いいだろォ…?別に」



今日は朝からずっとこうだ…。

私を抱えるように座って逃れられないように腕を回しているこの片目の男に今日何度目か分からないため息を吐いた。


『重い。』

「…。」



これも今日何度言ったか分からない台詞だ。

抱えて座るだけなら未だしも晋助は私に寄り掛かる。

それも遠慮なく。



『何、今日は甘えん坊さんなのかなー?』



私はこれ以上ない程に馬鹿にしたように晋助に言う。

そうすれば流石の晋助も離れるだろうと晋助を見やる。



「『………』」



ダメだ、動かない。

寧ろ回された腕の力が強くなった気がする。

もう…何、今日アレの日?アレの日なの?

アレの日って事でいいのよね?



『ねぇ、晋助…』

「あ?なんだァ…?酢昆布」

『あのさ…』



不思議そうに首を傾げる晋助に顔が引きつりそうになるのを耐えて晋助に視線を送る。



『アレの日なの?』

「……」



阿呆かコイツ。と言わんばかりの表情にキレそうになる。

耐えろ、耐えろ、私。



「…アレの日でいい。」

『は?』

「アレの日って事でいいっつってんだよォ…」



そう言い放った晋助に顔を引きつらせて大きく溜め息を吐いた。



『晋助…アンタ…』

「……あ?」



再び首を傾げた晋助に軽くもたれて私は晋助に問いかけた。





(プライドないの?)






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