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晋助様のやる事成す事…。

私は全てにNOなんて言った事はなかった。


春雨である神威が船に乗ると聞かされた時も特に嫌だとも反対だとも思わなかった。

だって晋助様がする事はいつだって正しいから。

だけど…なにこれ、どういう状況…?


「俺酢昆布のコト気に入っちゃった。俺の女になってヨ」

『……は?』


壁に押し付けられたと思ったら神威はそんな言葉を私に浴びせてきた。


『何の冗談よ』

「そんなに睨まないでヨ、女の子なんだし、笑った方がイイヨ?」


冗談じゃなきゃなんだっていうのよ、是非教えて貰いたい…あぁ、このアホ毛には何言ってもダメだ。

助けて下さい、晋助様…。

可愛い部下がピンチです。


『いや…可愛くはない、か』

「…?」


フッと笑って思わず口に出せば神威は不思議そうに首を傾げる。


『大丈夫。アンタには関係ないから。つーかいい加減離れないと叩っ斬るけど』

「んー、俺の女になってくれるな…おっと…!」


当たろうが当たらまいが知ったこっちゃないと抜刀すれば神威はそれをヒラリとかわす。


『…断り、ます(あぁ、イライラする)』

「あれ?おかしいナ…酢昆布は高杉の言った事にはNOなんて言ってないのに」


神威はそう笑ってわざとらしく首を傾げた。


『それとこれとじゃ話が全然違うでしょォォオオ!?』


なんなんだ、なんなんだコイツ…。

大体、晋助様と神威とじゃ比べるのも馬鹿馬鹿しい…晋助様に失礼だ。

カチンと刀を納めて神威に背を向けて私は走り出した。


『(逃げるが勝ちってね…!)』

「あ…」


神威が後ろで“俺の女になるまで諦めないヨー”なんて馬鹿な事を言っているのが背中から聞こえて私は思い切り叫んだ。



(丁重にお断りしますぅぅぅうう!!)








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