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ミーンミンミンミン…
五月蝿い蝉の鳴き声に私はぐだーっとしている。
今年も暑い夏がやってきたってなもんで…。
今日も今日とて夏い暑…あ、間違えた。
まぁなんかそんな暑い夏のある日の話だ、うん。
『よし、昨日作ったあれ食べよう。』
そうと決まればと私は自室を出てスキップで台所に向かった。
ルンルンで私は鼻歌混じりに冷凍庫を開ける。
昨日作って置いたアイスを取り出して小さく笑みを溢して居ればこちらに向かってくる足音一つ。
『あ(…晋助だ。)』
私は慌ててアイスを冷凍庫に戻してお茶を取り出してグラスに注ぐ。
「酢昆布、茶。」
『はい、どーぞー?』
やっぱりと私はどや顔しながらグッと晋助の前にグラスを差し出す。
「…その顔やめろォ…バカを思い出す」
『え、バカって銀時の事言ってんの?や、やめてよ』
今頃どこかで大きいクシャミをしてるであろう天パと一緒なのは心外だ。
ククッと笑った晋助を見つめて、うーんと考えるように頭を掻く。
何処があの天パと似てんだかと悩む。
…私と銀時が似てる…?
あのいつだってやる気のない天パでボケーっと1日だらだらしてるあの銀時に…?
いやいやいやいや…
『全っ…然!似てないでしょ。髪だって私こんなにサラツヤだしー?』
晋助はお茶を飲んで私を見つめる。
「…似てんだろ。甘いモン好きとかよォ…」
『似てませんんん!!甘い物は皆好きなもんですぅ!女の子なら』
何か思い出して少し呆れたような晋助の目に私は首を傾げた。
「やっぱ似てる。暑ィし腹立ってきた。」
『えぇぇ!?そんなバカな!何、私のせい!?って晋助暑いの?』
懐から扇子を出して扇ぐ晋助を見つめていれば私はハッとして冷凍庫を開けた。
晋助でも食べれるぐらいの甘さに作った私特製のアイス …。
これなら晋助だってお願いします、そのアイスを俺にぃぃい!とか言ってくるはず!
取り出したアイスを晋助に向けて私は満面の笑みを晋助に向ければ、晋助は顔を小さく引きつらせた。
(晋助!アイス食べる?)
(……はぁ…)
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