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『今日こそやるぞー…』
イタズラを…!!
晋助に!イタズラを!!!
いつも無愛想なあの顔がどうなるやら…!
『ふふふ…』
“中2病”
この貼り紙をあの背中に貼ってやる。
バレた時の事?…………………考えない。
そんなの考えてたらイタズラなんて出来ないし。
『晋助ー!』
前を歩いていた晋助の背中にに勢い良く抱き着く…と同時に紙を貼り付ける。
「っ…なんだ酢昆布かァ…いきなり抱き着くなっていつも言ってんだろォ…?」
振り返った晋助に擦り寄って小さく笑って見せる。
『だって晋助に(イタズラする為に)くっつきたいんだもの。』
「はぁ……ったく…」
ポンと頭を撫でてくれる晋助に少し申し訳なくなった。
けど……もう貼っちゃったからね!?背中に!
「んなに抱き着きてェならこうすりゃいいんじゃねェかァ…?」
『…!』
グッと引き寄せられて抱き締められる。
晋助の肩越しに神威が機嫌良く歩いてくるのが見えた。
『し、晋助!神威!神威来てる!』
ま、まずい…この場で紙の事ばらされたら、いくら恋仲の私でも死ぬ……!!
「…あ?…チッ…」
晋助は舌打ちしながらも私を離してくれる。
「こんな所でイチャつくなら部屋で…ん?」
ニコニコしながら近付く神威はどうやら貼り紙に気付いた様子。
ど、どどどうしよう…どうにかしないと…
『あっ!神威!お菓子作ったんだけど後で食べる!?』
「!そうだネ。貰おうかな」
ニヤッと笑った神威はイタズラの犯人が私だと気付いたのか案外頷いて私に近付いた。
「……部屋行くぞォ…」
ふとそっぽを向いて歩き出した晋助に少し慌てて私は神威に耳打ちした。
(種明かし禁止だよ!?)
(ハイハイ)
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