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「総悟ォォオオオ!!」
土方さんの怒声に苦笑いを浮かべる。
バズーカやらで煙が凄い事になってる中で私は咳き込んだ。
『ケホッケホッ…本当懲りないなー』
「本当ですよねー…あっちの方は煙少ないから行きましょうか」
『あ…えっと…ありがとう』
ジミーに連れられて煙が少ない場所に移動して腰を落ち着ける。
土方さんと総悟は相変わらずでバズーカの音が響く。
『まぁケンカするほど仲が良いって言うしね…うん』
「ハハ…あれって仲が良いって言うんですか?」
苦笑いしながら土方さん達を指差すジミーにつられて苦笑いが浮かんだ。
『あ…そうだ、ジミーってさ…』
「ちょ、酢昆布さんまでジミーって呼ぶの止めてくれませんか!?」
『あー…ご、ごめん…つい』
頬を膨らますジミーに苦笑いしながらボーッともう雲なんだか煙なんだかよく分からない空を仰ぎ見る。
「全く…酢昆布さんにまともに名前呼んでもらった覚えがないんですけど…」
『え?え?そうだったっけ?』
ジミーの言葉に思わず肩を揺らして、暑くもないのにダラダラと汗が出る。
「あのちょっと俺の名前呼んでみちゃくれませんか?」
何かを疑うようなジミーの表情に視線を反らす。
『………ちゃん』
「え?」
『や…山ちゃん』
「ちょっ…山ちゃんってそりゃ名前じゃなくてあだ名でしょう!?しかも俺山ちゃんなんて呼ばれた事ないですよォオ!?」
『じょ、冗談冗談…』
あー…ダメだ、なんか土方さんがジミーを呼んでた気はするんだけど…なんて呼んでたっけ?
…ほら、ジミーがミントンとかカバディとかやってる時にこう…鬼の形相で…ほら…。
期待と疑いの間みたいなジミーの顔に私はまた苦笑いを浮かべた。
(…ごめん…ジミー…名前忘れた…)
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