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今日は新八くんと久々のデート!
『ね、次どこ行く?』
「ふふ、酢昆布さんの好きな所で大丈夫ですよ?」
クスクスと笑って言う新八くんに少し恥ずかしくなる。
いけない、いけない…久々のデートについはしゃいでしまった。
…落ち着け、私。
『ダメだよ、ダメ!新八くんの行きたい所にも行かないと、ね?』
思わず小首を傾げて笑いかければ、新八くんは顔を赤らめてバッと目を反らした。
『(あらら…)』
「じゃ、じゃあ…アレはどうですか?」
『どれ、ど…れ…え?』
新八くんが指差したのはデート場所である遊園地の大目玉…お化け屋敷…。
ここのお化け屋敷って物凄く怖いって噂じゃ…
「銀さんが居ると入れないですからねー」
なんて笑ってる新八くんと対照的に私の顔は多分真っ青だ。
「あ、酢昆布さんひょっとして苦手ですか…?」
『え!?いや、全然!!?』
ブンブンと頭を横に振って新八くんに笑いかける。
「じゃあ…行きます?」
『う、うん!行こう!早く行こう!』
新八くんの手を取っていざお化け屋敷!
ギャアァァァ!!
『いっ、イヤァァア!!』
「だ、大丈夫ですよ!」
お化け屋敷は迷路になっていて行く道が合ってるのかも分からない…
何これ、ナニコレ…めっちゃ怖い…
中は当然の如く薄暗くて何だかひんやりしている気がする。
カラスが鳴く声とかもリアル過ぎてこれはお化け屋敷独特の雰囲気に完全にのまれてる。
…多分今なら蒟蒻でも怖がれる。
作り物だって分かってる…分かってるけど…。
ピト…
『イ、い、イイイヤァァァア!!』
「わっ」
何かが頬に当たった瞬間私は新八くんの手を引いて思い切り走り出した。
(でででで、出口どっちィィイ!?)
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