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近藤さんの足の間に座らされてかれこれ一時間…。
何故?何故こんな事に?
『あの…近藤さん、私邪魔じゃね?』
「ん?そんな事はないさ、おかげで仕事も捗るよ」
………は?この体勢で何故仕事が捗るの?
いや、確かに仕事は捗ってるように見えるけど…
おかしい、おかしいって…!
前々からおかしいと思ってたけどこれは無いわ。
『近藤さん、変』
「えぇえ!?いきなりどうしたの酢昆布ちゃん!」
いや“いきなりどうしたの”じゃないよ、おかしいよ!
お妙さんお妙さん言ってるアンタを見張ってろって言われたの!副長に!!あの泣く子も黙る鬼の副長にィ!!
私は仕方なく見張ってたのォォオ!!
なのに、何故!?何故この体勢なのォォオ!?
バカだバカだと思ってたけど何でこんなバカなの!?このゴリラは!!
「酢昆布ちゃん、今凄い失礼な事考えてなかったァァア!?」
『イエ、ベツニ』
危ない危ない、顔に出てたか…フゥ…。
近藤さんをチラリと見れば“なんだ、良かったー”なんて呑気な事を言っている。
もうやだ、土方さんヘルプ…。
局長の足の間に座る事は副長補佐の仕事じゃないでしょう!?もう、何で!?何でよ!それしか無いの!!頭の中そればっかなのォォオ!!!
大体全部、もう全部!近藤さんのせいなのよ!?
普段仕事ほっぽってお妙さんの所行ってるから!
局長命令とか言って足の間に座らせたからァァア!!
『ゴ…コンドウサン』
「今、ゴって言った!?ゴリラって言おうとした!?」
『一つ、質問するんで…その…答えられたらもう何も言わないんで』
「え、無視ィ!?」
被害妄想で騒ぐ近藤さんを完全に無視して私は冷たい視線を送りながら言葉を繋げた。
(何故この体勢か教えて下さい、15文字以内で。)
(えぇえ!?15文字以内!?少なくない!?)
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