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今日は5月5日。
この日は年に一度の副長の誕生日。
サプライズパーティーをしようと二週間前から準備をしていた。
『え、山崎さんそれ本当ですか?』
「うん、そうなんだよ…俺が掴んだ情報だと今日の夕方には…」
『そ…そうですか』
「じゃあ俺も用意があるから」
『あっ、はい…気をつけて』
誕生日当日の今日。
副長の仕事が終わる時間を山崎さんに聞けば攘夷浪士へと討ち入りがあるとの事。
『今日ぐらい大人しくしてくれればいいのに…』
山崎さんの話から考えるに副長は今日が自分の誕生日だという事すら忘れている。
夕方という事は帰る頃には日付が変わっているかも知れない。
『でも…やっぱり驚かせたいよね…』
時間に間に合うかは分からないけど副長の部屋でサプライズの準備をする事にした。
『後…一時間』
副長達が討ち入りに出かけて数時間。
甘さ控えめの手作りケーキて悩みに悩んだ副長へのプレゼント…それにマヨ料理。
簡易テーブルに並んだ物をボーッと眺める。
『早く…びっくりした顔…みたいなぁ…』
そのまま私はゆっくり目を閉じた。
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