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『寒い…』


12月も半ば、季節は冬。

毎日毎日寒い日。


『寒い寒い寒い…』

「…」


ふわふわの暖かそうな銀色の頭を撫でてみるけど寒いは変わらなくて嫌になってくる。


『さむんぅ…っ』

「寒い寒い、るせぇ!んな寒い連呼して寒くなくなんのか!?」


寒いと口にしようとしたら口を押さえられて思わず眉を寄せる。


『…だって寒い』

「はぁー…」


呆れたように息を吐き出した目の前の男は私の唇に唇を重ねた。


『んん…』

「ん…これでどうだ?」

『…胸は暖かいけど身体は寒い』

「………」


コイツ…と言わんばかりの顔をした銀時はガシガシと頭を掻いた。


『ストーブ欲しい』

「……そんなモンうちにはありませーん。」

『…湯たん…』

「湯たんぽもねぇよ」


なんで湯たんぽすらないのよ、この家…とか言いたくなるけどそんなのはこの家の大黒柱が今にも折れそうで甲斐性がないからで…今更過ぎて口に出すのも面倒…。


『…寒い…』


代わりに本日何度目かのその言葉を口にしながら銀時の手を握る。

ん…暖かいけど手だけじゃな……。


「…?なんだよ?」

『…あ』


なんで気付かなかったのか…私は銀時に身体を寄せてそっと抱き着いた。


『ん…ん、あったかい』


チラリと銀時の顔を見れば、ほんの少しだけ頬が赤くて私は小さく首を傾げる。


『銀、時…?』

「はぁ…ほら、これならもっと暖けぇだろ」

『ん…っ…』


きゅっと抱き締められて私は銀時の体温に落ち着いて目を細めた。




(銀時、あったかい)
(そーかい)

→後書





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