1  





《っつ…ど…して…どうして…私じゃダメなんですか…》



そう言った桜ちゃんの顔が離れない。



《アンタが一番大事なのは誰だ》



と言ったトシの言葉が離れない。


あの日からお妙さんに会いに行く気も起きずにずっと屯所でボーッと過ごす。


あれからトシとは普通に話すけど桜ちゃんには会っていない…と言うか避けられている気がする。



「ト、トシ」

「…何だ?」

「その…あれから桜ちゃんは…」

「…さァな…気になるならそれ持って会いに行きゃいいだろ…?」



トシの視線は俺の手にある桜ちゃんに借りているハンカチ。



「あ…そ、そう…だな」

「でも…半端な気持ちで会いに行くならやめろよ…?」

「…もう…逃げないさ」



真剣なトシに俺も覚悟を決めて屯所を出た。








::




先頭






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -