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私には大好きな人が居た。

それはもう昔の話で…でも忘れたくても忘れられない大事な人…。

あの人は私の初恋の人で今は江戸に居る。

顔を合わせれば喧嘩ばかりだった彼を好きだと気付いたのは彼が此処を離れて江戸に行ってからだった。


江戸に行こう決めたのは7月に入ってから…

江戸に着いたのは7月8日だった。


江戸は人で溢れかえっていて私は目を見開いた。

柄の悪そうなお兄さんが居たり天人が沢山いる中、一際目立つ銀髪。

他に話し掛けられそうな人がいずにその人に近付く。



『あの…すいません』

「へ?あ、俺?」

『はい…少しお尋ねしたい事があって…』

「えーっと…なに?」

『沖田総悟って人…知りませんか?』

「…!聞いた相手が俺でよかったな…その辺の怖ーいお兄サンだったらどっか怖ーい所に連れてかれちまうぜ?」

『え…?』

「ま、ついでか…沖田くんの所連れてってやるわ」

『ほ…本当ですか…?』


おう、と言って手を引かれれば私は何故か安心する。

しばらくして連れてこられた場所は“真選組”と言う所。


『あ…あの?』

「あ?あー…沖田くんここに居んだよ」


ここに…ボーッと建物を見ていれば手を引かれる。

奥から出て来た人物に目を見張る。


「お…お前…」

『トシ、兄……』

「なんでこんな所に…!」

「銀さんが連れて来てやったんだよ」

「…!てめェ…!」

『あの…総悟…ここに居るんだよね…?』

「……あぁ…取り敢えず上がれ」







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