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『近藤さん…本気で好きじゃない相手にそんな事言っちゃダメですよ』

「え…?桜ちゃん…?」


そんな日がずっと続けば慣れていた心もポッキリ折れる日がきてしまう…そんな事分かってたはずでそうならないように気を付けていたはずなのに気付けば視界は涙で歪んでいた。

でもこうなったら私の口は止まる事を知らなくて…。


『っ…ど…して…どうして…私じゃダメなんですか…っ』


自分でも情けないくらいにポロポロと涙を溢しながらそう言えば近藤さんはこれ以上ない程慌てだす。


「え!?えぇえ!?だ、だって桜ちゃんは歳も離れてて妹のような…!」


近藤さんの言葉を遮るように間に入ってきた土方さんは私の頭に隊服のジャケットをかけながら近藤さんを見れば何かを近藤さんに伝えて私の手を引いて歩き出す。


『ひ…じかたさん…私っ』

「…わかってる」


近藤さんが居た場所から大分離れた路地裏で土方さんの足は止まってぐっと抱き寄せられた。


「辛い時は泣きゃあいい…胸ぐらい貸してやる」

『!…っう…ぇ…』


土方さんの言葉と髪を優しく撫でる手に安心してしまえば私は大声で泣いた。

今まで溜め込んでいたものがダムが決壊したみたいに…。


目が少し腫れて赤くなった時には落ち着いてきて土方さんを見上げれば私は小さく笑みを溢した。




“ひでェ顔。”そう言いながら土方さんは私に口付けた。



(土…方…さん…?)



進、後書




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