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『できた…』
今日は神威の誕生日…
って言っても彼は誕生日なんてどうでもいいかもしれないけど…
それでも彼女として彼の誕生日を祝いたいと思うのは女心。
綺麗にラッピングをしたクッキーを持って艦内を歩く。
『居ないし…』
「桜ー?誰探してるの?」
『っ…!』
後ろから話しかけられて振り返る。
『神威…っ』
「そんなに驚く事ないんじゃない?」
『あ…えと』
「で、誰探しまわってたの?」
ニコニコと笑みを浮かべながらピョコンと生えてる毛が揺れる。
『お、お誕生日おめでとう…っ!』
「!」
ぐっとクッキーを神威に押しつけて私は全力でその場から走って逃げた。
「クッキー…?ふふ、変な子だナー…」
次神威に会うときどうなるのか私はまだ知らない。
(誕生日って…普通ケーキだよネ)
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