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「はぁー…サボりてェな」
今日の仕事は市中見回り。
かぶき町は今日も平和でさァ。
いっそ雨とか降れば…いやそれはそれでめんどくせェか。
「あれ?総悟?」
仕方なく市中見回りを続けていれば後ろから話しかけられる。
「桜じゃねェですかィ、また買い物ですかィ?」
「うん、総悟は見回り?」
「へい」
パタパタと足音を立てながら桜は俺の横に並ぶ。
「じゃあちょっと付き合おうかな」
「買い物はいいんで?」
「平気、もう終わったから」
にこにこと笑いながら俺の横を歩く桜は実は俺の恋人。
「…?どうした、の…!?」
「危な…っ!?」
「いた…くない…」
桜が石に躓いた所を庇えば俺ごと倒れてしまった…痛ェ。
「あれ…あっあぁ!!ご、ごめっ」
「そう思うなら退いてくれやせんか?」
桜の反応に思わず意地悪を言えば顔が真っ赤になった。
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