「あー…もしもしィ?万事屋ですけどォー…」

【…何の用だ。】



電話の向こうで眉を寄せてるであろう土方の声に少し苛々しながらも桜の為だと一息吐く。

ったく…俺だってテメェの声なんざ聞きたくねぇっての。


「あー…今日桜そっち行けねぇから」

【…は?】

「だァーかァーらァー、うちの桜ちゃんは風邪引いてそっちに行けねぇんだって」

【……風邪?】

「つー訳なんでよろしくぅー」

【オ、オイ…】


ガチャンッ

なんか言ってた気もするがまぁいいか…なんて思いながら振り返る。


「桜?」


顔を真っ赤にして呼吸が乱れてる桜に近付いて髪を撫でる。


「ったく…こんなんでよく仕事行こうとしたな…」

「銀ちゃん!布団敷いたアル…!」

「しー!!」


慌てて口を押さえた神楽に思わず笑みが浮かぶ。


「(神楽も相当桜が好きだな)よっ…と」



ソファーで眠る桜を抱き上げて部屋に向かう。

軽いなー…んとに。


「神楽、桶に氷と水いれてこい。」

「任せるネ!」


風呂場に行った神楽を見やりながら桜を布団に寝かせてそっと布団を掛ける。


「これじゃ…寒いか…」


俺の布団も上から掛けてっと…まぁこれで大丈夫だろ…。

えーっと…タオルタオル…箪笥から小さいタオルを出してから神楽が持ってきた氷水にタオルを突っ込んで固く絞ってれば神楽に袖を引かれる。


「桜、大丈夫アルか?苦しそうアル…」

「大丈ー夫だっての…ちゃんと飯食って薬飲んで寝てりゃ治らァ…」


桜の額にタオルを乗せて立ち上がった。


「ほら、桜の為にお粥作るぞー」

「私も手伝うネ!」


神楽の様子に小さく笑いながら俺達は部屋の戸を閉めて台所に向かった。






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