「はぁ…参ったな、こりゃあ…」


苦笑いを浮かべながらガシガシと頭を掻く。


「土方達に嫉妬…つーか嫉妬とかガキか俺ァ…」

『ん…』

「…そもそも何で嫉妬なんざ…あれか?娘を嫁に出すってのはこんな気持ちなのかね…」


“いいんですか?このままじゃあの二人に負けますよ?”

負けるって何にだよ…ったく…変な勘違いしやがって…。

にしても寝顔、可愛いな…手も全然離さねぇし…。

ったく、可愛いな…ちくしょう。

土方達に笑い掛けてる桜と俺達の前で、俺達と一緒に笑ってる桜は一緒のはずなのにどうにも気に入らねぇ…。


「嬉しそうな顔、してやがったな…」


髪止めのプレゼントに笑ってた顔が気に入らなかったのは事実だ。

ふざけやがって…物で釣るとかあの阿呆ども…。



「ろくなもんやれねぇのは…悪ィ…とは思ってっけどよ…」


あぁ、気に入らねぇ…。


「んだ…これ。」


この嫉妬がなんなのか知ってるくせに俺は知らねぇフリをする。

だってそうだろ?こんなの…こんなモンは…。


「俺らしくねぇだろ…こんなモン。」


受け入れる事が怖いとかそれこそガキくせぇ…。

俺はそんなテメェに自嘲しながら桜の頬をそっと撫でて唇を寄せた。





(銀ちゃん!鍋ふいてるアルー!)
(…っ!やべ…!)



→後書

[2]

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