『ん…っ…』
あ、あれ?私どうしたんだっけ…?
「あ!桜さん、目が覚めましたか?」
『新、八くん…?あれ、私…?』
「銀さんに聞いた時はびっくりしましたよー」
やっぱり昨日の雨が原因ですねと言いながら新八くんは私の体を起こしてくれる。
「水分摂りましょうか、飲めます?」
うぅ…新八くん優しすぎる…って…
『し、仕事…は…ゴホッ…!』
「ほ、本当に仕事行く気だったんですか、桜さん…」
ちょっ…そんなに呆れた顔して見ないでよ…辛い!辛いからァア!
「あ、お粥温め直して来ますね?」
『あ、ありがとう』
部屋を出て行った新八くんにお礼を言いながら部屋を見渡す。
氷水が入った桶と救急箱とかが置いてある。
『そう言えば…』
銀さんと神楽ちゃんは?ん?仕事…かな…
布団に横になりながらふぅと息を吐く。
ちゃんと真選組に連絡いってるのかな…うーむ。
「お待たせしました」
鍋を持って戻って来た新八くんに慌てて体を起こす。
「あぁ!そんな慌てなくてもいいですよ!」
クスクス笑う新八くんにえへへなんて笑ってみる。
『おぉ…美味しそう…』
「銀さん達が作ったんですよ」
『え、マジでか…じゃあ早速いただきます』
手を合わせてからお粥を食べ始める。
『美味し…』
「ふふ、良かったですね。にしても本当に心配しましたよ」
『いやー…なんか…私もびっくりした』
クスクスと笑い新八くんと談笑しながらお粥を食べる…うん、本当に美味しい。
お粥を食べ終えれば新八くんがどうぞと薬を渡してくれて…なんかこうやって看病とかしてもらうのってどれくらい前だったろう…なんて頭の端に浮かぶ。
『新八くんはいい子だよ、本当』
「えっえぇ!?な、なんですか!いきなり!」
少し顔を赤らめた新八くんについ笑みが溢れながらお茶で薬を飲む。
『あ、そうだ。銀さん達は?』
「あぁ、それならもうすぐ…」
と新八くんが言いかけた所で玄関の方が騒がしくなった。
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