『は、晴れろォォオオ!!』
今日も真選組のお仕事中です。
あ、お仕事なう。とかの方が今っぽいのかな…え?古い?そんなの知らない。
と、まぁそんな事はどうでもいいんですよ…。
問題は今!この天気…!
そして目の前に溜まっている洗濯物…。
『はっれろォォオオオ!!』
縁側で儀式の如く叫んでいたら後ろから頭を軽く叩かれる。
『あいた…!』
「何やってんだ…お前…」
『ひ、土方さん…』
憐れむような蔑むような…そんな目で見下ろす土方さんに顔が引きつる。
『(み、見られたァァァア!!)』
「ハァ…まぁ、いい。んな儀式してんなら茶入れてくれ」
『あ…はい』
土方さんの言葉に涙目になりながらお茶を入れに走った。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
『お茶お持ちしました。』
「あぁ、入れ。」
『失礼しまー…うわ』
戸をゆっくり開きながら顔を上げて視界に入ってきた夥しい量の書類に思わず声を上げる。
『こ…これ…すごい数ですね』
さっきとは違う意味で顔を引きつかせながらお茶を邪魔にならない場所に置く。
「あぁ…まぁ、な」
苦笑いを浮かべながら頷いた土方さんに少し同情しながら側に寄って座ってみる。
『あれ…なんか始末書多くないですか?』
「………総悟のな」
『あ…なるほど』
そう言えば前の世界に居た時に漫画読んでても新聞に載ったりしてて土方さん大変そうだったよなーと頭の端で思う。
「で?お前は何時からあぁやってたんだ?」
『え、えーっと…』
土方さんが言いたい事はさっきの儀式の事だろう。
『あ…雨が降ってから……?』
「………………」
あ、やだ…沈黙が痛い。
「ハァ…何でこう俺の周りの奴は…」
小さく呟かれた言葉が私にも届く。
なんか直接言われるより傷付くな……くそう。
「でも…お前のあの儀式もバカには出来ねェな」
『へ…?』
土方さんの視線を辿って外を見れば夕日がうっすらと射し込む。
『本当だ…あ、でもまだ雲ありますけどね…』
そう言いながら時計を見れば土方さんも時計を見た。
「少し早ェが今日はもう帰れ。どうせ傘持って来てねェんだろ?」
『え、いいんですか?』
確かに朝来るときは降ってなかったから傘持ってないし止んでるうちに帰りたいけど……。
「あぁ、帰って休め。」
『じゃ、じゃあ…お言葉に甘えて…』
ならば急ごうと立ち上がり、土方さんに一礼する。
『残業頑張って下さいね!また明日です!』
「あ…あぁ」
鼻歌混じりに帰り支度を済ませて屯所を出た。
『(今日の晩御飯何にしようかなー)』
屯所から万事屋まで後半分の距離。
『ん…!冷た…!』
ポツ…ポツ…と再び降りだした雨に本日三度目…顔が引きつった。
(イヤァァァア!!)
→後書
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