「あの…少し気になったのでお伺いしてもよろしいでしょうか?」


たまさんの綺麗な声に頷けばたまさんはそれではと話し始める。


「桜様と銀時様はどのようなご関係なのですか?」

『!?ゴホッ…!ゴホッ…!』


思いがけないたまさんの言葉に目を見開いて咳き込んだ。

慌てながらお茶を流し込んで呼吸を整える。


『な…何でそんな事…?』


涙目になりながらたまさんを見つめれば整った顔を崩す事なく再び話し出す。



「私のデータではお二人のご関係は恋人というものに近いのではと思ったので」

『こ…!?ここ、恋人!?違う違う!!そんなんじゃないですよ…!』


違う、いや確かにキスはされたけどアレは事故みたいなものだし、決してそんな恋人だなんて大層な関係じゃない。

では?どのような?なんて言い出しそうなたまさんを見て頭をフル回転させる。

友達?いやいや友達ってなんだ、友達って…違うだろう…

え、えーっと…じゃあ何?あ、あれかな?友達以上恋人未満…?

いやそれこそ違う気がする。

えー…えーっと…っ…


『た、ただの居候…デス』


あ、自分で言うと悲しい。

前に銀さんに言われたっけな…なんて軽く涙目になってそう言えばたまさんは小さく首を傾げた。


「居候…ですか?」

『う、うん…』


少しの沈黙が痛い。

ガラガラと音を立てた扉に振り向けばもう何度も見てる銀髪。


「よう、待たせたな」

『あ!銀、さん…おかえり…なさい』


その姿に嬉しくなるも自分で言ったさっきの言葉に少し悲しくなってしまった。


「?どうしたよ、んな顔して」


そんなバカな私の頭をポンと撫でてくれる大きな手に安心する。

慌てて笑顔作って銀さんを見上げた。


『何でもないですよ、お仕事お疲れ様です』

「お、おー…んじゃ帰るか」

『あ、はい!お登勢さん、ありがとうございました』

「あぁ、またいつでも来な」


一礼してからお店を後にした。

銀さんがお登勢さんに何か言われてたみたいだけどききとれなかった事に小さく首を傾げる。


『お登勢さん、何か言ってたんですか?』

「あ?いや別に?」


なんて銀さんが言うもんだからそれ以上は聞かなかった。


「なぁ、桜」

『え、あ、はい?』


階段を上がる足を止めて銀さんを見つめる。


「いや、やっぱいいわ」

『??』


そう言って家に入った銀さんに私はまた首を傾げた。


『変なの…』


少しモヤッとした気持ちのまま銀さんの後に続いて家に入った。




(桜ー!!)
(わわ、神楽ちゃんおかえり!)



→後書

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