『……ふふ』
「桜…大丈夫か?」
『…らいじょーぶですよー』
ふわふわと気分が良い。
私の返事に苦笑いを浮かべる土方さんが気に入らなくて顔を近付ける。
「っつ…!」
『それともあれですか…?らいじょーぶに見えないってんですかー?』
「い、いいから離れろ…っ」
なんて言われたもんだからぐるりと振り返って隊士二人を指差す。
『そこの二人…!刀抜いてそこに立ってくらさい!』
ぎょっとした隊士を軽く睨みながら無言で早くするように訴える。
言われるがままに刀を抜いて立った隊士ににんまりしてから今度は近藤さんの方へと向き直る。
にんまりと笑ったまま近…ゴリラを指差せば苦笑いというか何とも言えない微妙な顔をしたのを見て真顔になる。
『なーんで、ゴリラが服着てんれすかー?』
「え、えぇえ!?ゴ、ゴリラって桜ちゃぁあん!?」
「お、おい…桜」
少し慌てる土方さんに顔を向けて首を傾げる。
『何れすか、マヨ方さーん?』
「なっ…」
視界の端で腹を抱えて笑う総悟くんの声を聞きながら再びゴリラに指を向ける。
『何ボーッとしてんれすか…?早く脱いれレッツリンボーれすよ…!』
「え、えぇえ!?」
涙ながらに服を脱ぎ出した近…ゴリラさんにフフッと笑ってから隊士達をクルリと見回す。
背後で刀リンボーダンスが行われる中二人の隊士に目をつける。
『次!そこの二人!キスれすよ、キス!!』
「「(だ、誰か助けてェェエ!!)」」
キスコールをしていれば戸が開く。
『んぅ…?』
くるっと振り返れば見覚えのある顔。
「オイオイ、何で裸でリンボーダンス?」
面倒くさそうに銀髪を掻く彼の姿に安心して笑って横になった所で私の意識は途絶えた。
「「(た、助かった…!!)」」
次の日起きたら万事屋の天井が見えて私は小さく首を傾げた。
(あれ?なんで?…頭いた…!)
→後書
[3]
← |
→
←目次へ