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コナンの寸感
萌え 2017/11/23 00:23


・ゾル麻衣兄さんとコナンクロス
・コナン視点でゾル麻衣兄さんの寸感
・SPRが何やら殺人事件に出くわしたらしい
・兄さんが審神者かどうかは考えてない





 第一印象は“大人しそうな女子高生”だ。柔らかそうな栗色のショートヘアに、同色の大きな目は穏やかそうな雰囲気だ。ジーンズにパーカーというボーイッシュな服装だが、不思議と活発さを感じない。言動も同年代の少女より枯れて――もとい、落ち着いている。それだけに雑踏に埋没する少女だと感じた。

 その次は“意外と男っぽい”だ。価値観というか思考回路というか、そういったものが男性寄りであるように感じたのだ。口調も中性的であるか、もしくは男性寄りである。しかも、落ち着いた雰囲気も手伝ってコナン(あるいは新一)よりも年上の男性のように感じることもある。感覚としては新一以上、安室以下くらいだろうか。つまりは、落ち着いてはいるがまだ若さがある男性だ。そんな人格が大人し気な少女の体に収まっているのは、不自然と言えば不自然であった。コナンのようにアポトキシンの類似薬で少女の体になった若い男性、と説明されたら信じるかもしれない。

 最終的に辿り着いたのは“尋常ではない”であった。不幸にも殺人現場を見てしまった彼女は、しかし冷静であった。そう、冷静過ぎた。路傍の石とまではいかないが、まるで電車内で他人の喧嘩を見ただけのような。そこそこ珍しくはあれど驚くほどでもない……いや、多少驚きはすれども動揺に値しない。要は“見慣れているような”反応があまりに異様に映った。SPRという集団に属し、心霊現象の調査とやらをしているので、ある意味では耐性があるのかもしれないと無理に推測できなくもない(なにしろ、コナンは幽霊など信じていない)。しかし、同じ集団に属している他の人間の反応を見ると、彼女は群を抜いて冷静だった。やはり、尋常ではないのは彼女だけだ。

 死体を見た割に冷静なのはSPRの所長だという渋谷もだが、彼は普段から感情の起伏が少ないので判断に迷う。超心理学の話の中で、やってみたいことの一例としてさらりと“解剖”という単語が出ているので、そもそも死体に耐性があるのだろうか。……少なくとも、マッド(気狂い)と呼ばれる類に片足を突っ込んでいるのはほぼ確実だろう。

 谷山麻衣には何か隠し事がある。そう確信したものの、それが事件と何らかの関わりがあるかどうかまでは分からない。探偵としての好奇心がくすぐられるものの、尋常ではないということは、短慮で首を突っ込めばこちらも尋常ではない目に遭う可能性もあるということである。そもそも、殺人事件に出くわさなければ、彼女の決定的な異常性に気付けなかったのだ。普段はそれをうまく隠しているということになる。彼女に探りを入れるのならば、警戒心を忘れてはならないだろう。

(――とは言うものの、一度気になったらとことん追求するのが探偵の性なんだよな)

 強い好奇心。それはコナンの長所であり悪癖でもある。普段は鋭い推理の味方となるそれは、一歩間違えば致命的な事態を誘発する。江戸川コナンが誕生したのも、ある意味では強すぎる好奇心のなれの果てだった。それでも追及をやめようと思わないのは、彼が根っからの探偵だからかもしれない。好奇心は猫をも殺すが、それを味方につけた者こそ名探偵である。

 小学生の体を持つ高校生探偵は、伊達メガネの奥で理知的な瞳を光らせた。



 ――何となくそれを察した、女子高生の体を持つ暗殺者(♂)は、鉄壁の笑顔の下で絶望した。



+ + +



ゾル兄「あいつら、黙ってても勝手に推理するからすげーやだ」

名探偵に敵うわけないだろうという。頭の話をするなら、ゾル兄さんの知り合いならクロロ連れてくるくらいじゃないと駄目なのでは(クロロが大人しく来てくれるとは言ってない)。
ゾル兄さんが元の体だったら、手を見てナイフを使い慣れてるとかバレそうで恐ろしい。「それって包丁を握るような持ち方だとできないタコだよね!」とか無邪気な振りしたえげつない指摘をしそう。やめてさしあげろ。



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