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ゾル兄さんを進撃にぶち込むその2
萌え 2013/08/26 22:35


・進撃の巨人世界にゾル兄さんを意味もなく突っ込んだ話の続きっぽい
・設定は原作準拠だったりアニメ準拠だったりうろ覚えだったり
・ありがち展開
・原作ネタバレ
・ゆるい目で読んでね





 巨人の侵攻を止める方法はいたって単純だ。壁に空いたあの風穴を塞いでしまえば良い。だがあれは全長が10mを超す巨人が簡単に通り抜けられるほどの大きさだ。俺の≪殉教の楔(ゴーストハック)≫を全力で用いれば塞げるとは思うが、あれだけの物量を相手に試したことは今まで1度もない。

(でも、やらなければあの穴から際限なく巨人が侵入してくるんだろうな)

 今のところ、穴から侵入してくる巨人は途切れる様子がない。そして、巨人達に対応している自警団らしき集団は、壁の修復にまで手を回す余力がないように見える。

(……よし。壁の修復費用くらいは請求しよう。なんてな)

 教師兼暗殺者にあるまじき、土方作業での報酬請求を冗談で決意しつつ、俺は風穴に向けて屋根伝いに街中を疾走した。

 巨人の弱点は既に判明しているが、片っ端から全てを相手していくのは時間の浪費になる。俺は巨人が追い付けない速度で走りながら、進行上にいる巨人だけを屠った。うなじの肉を削ぎ落とせば良いだけなので、それほど苦ではない。様々な巨人の傍を潜り抜ける中で気付いたのは、巨人といえどもその大きさにはかなりの個体差があることだ。大きいものは15mを超えるが、小さいものになると3、4m程度になる。そしてそのどれもが、体格の割りには動きが素早い(とは言っても、俺にとっては鈍く映る。それでも宙を飛び回る兵達のワイヤーを掴んだり、彼らを叩き落とせるようだ)。頭を蹴り飛ばした際の感覚が異様に軽かったことから、彼らの肉体は人間よりも密度が低いのかもしれない。

 前下方から巨大な腕が伸ばされる。背丈が屋根より低い巨人だ。俺は伸ばされた腕、その指先を足場にして跳び、その巨人を無視して先へ進む。次いで正面に現れたのは、最初に相手をしたものと同程度の巨人。やはりワンパターンに伸ばされた腕を足場に駆け、すり抜けざまに手にしていたグルカナイフでうなじの肉を削ぎ落とす。オーラを纏わせているため、刃毀れはない。巨体が崩れ落ちる前に次の足場に跳び移り、とにかく先へ。

 それを作業的に繰り返すと、ようやく風穴の付近まで到達した。もともと外界への出入り口だったのか、風穴の周りには深い堀が設けられ、それを繋ぐ跳ね橋が崩れた状態で放置されていた。堀は恐らく巨人対策なのだろうが、無数に侵入してくる巨人で随分前に埋まってしまったらしい。新しく侵入してくる巨人は、堀の中の巨人を踏みつけて内部へ到達しているようだった。なお、この付近に兵士達は1人も居ない。この場所はいわば敵勢力の本拠地の様なものであるし、おまけに、出入り口付近ということで建物が途切れており、見晴らしが良い。観察したところ、あの兵士達はワイヤーの先端についたフックを建物に引っ掛け、そのワイヤーを巻き上げることで立体的な軌道を実現していた。つまり、周囲に建物が無い場合は、他に手段が無い限り、巨人に直接ワイヤーを射出するしかできない。巨人を支点に機動力を確保するのは相当に困難であると予想されるため、現実的に考えれば巨人への対抗手段がなくなることと等しい。この辺りに兵士が居ないのは当然だろう。兵士なのでそれなりに訓練は受けているのだろうが、それでも半端チートスペックの俺よりは遥かに弱い。そんな彼らを護りながら壁の修復に励む必要が無いのは幸運だった。それ以前に、限りなく異世界臭いこの場所で、念能力を見られるのはあまり好ましくないし、言い訳が面倒臭い(ハンター世界でもおおっぴらにすべきではないのだが)。

 俺は上着の内側に腕を突っ込み、両手の指の間に計8本のスローイングナイフを挟んで引き抜いた。そして小さな刃それぞれにオーラを込め、胸の前で交差させた両腕を、手首のスナップを利かせながら勢い良く開いて投擲する。

(――≪殉教の楔(ゴーストハック)≫)

 鋭く飛んだ小さなナイフが、風穴の淵に突き刺さった。俺の能力は、あのナイフの切っ先を支点とした、半径5m圏内の物体(固体に限る条件)に作用する。あとはオーラを操作して分子の位置を移動させ、周りの壁からかき集めた素材で穴を埋めてやるだけだ。……その筈だったのだが。

「……ん?」

 俺は思わず首を傾げた。ナイフは確かに全て壁に突き刺さったのだが、壁には何の変化もない。

 俺は近くの石畳にナイフを刺して、能力が発動するか試してみた。その結果、全く正常に発動した。だがあの壁には発動しないようだ。目に凝をして壁を注視すると、街を取り囲む巨壁だけ、うっすらとオーラが纏っているのが見えた。どうやら、ただの壁ではないらしい。よくよく考えてみれば、並みの要塞よりも堅牢に見える“程度”の壁で、住宅をあっさりと破壊できる巨人の侵入を拒めるとは思えない。あの壁には何らかの仕込みがあるのだろう。その“何か”が俺の念能力発動の妨げになっているらしい。

(俺にできるのは、壁の補修か住民避難のための時間稼ぎだな)

 特別製の壁ならば、補修方法は通常の壁と異なるのかもしれない。となると、補修は不可能であると断じるのはまだ早い。そもそもここは異世界だ。何かしらファンタジックなことが起きても全く不思議ではない。

(……ナイフ、8本も無駄にしたな)

 寄って来た巨人を捌きながら、壁に刺さったままのナイフ達を回収に行けるだろうかと考える。行けなくもないが、それは最優先事項ではないだろう。確かにあのナイフは、ゾルディック家御用達の職人が手がけた特別製で、俺の念能力には欠かせないが、武器のストックはまだまだある。ナイフを回収する時間を惜しみ、巨人を狩った方が人命のためになるだろう。回収は時期が来たら試みよう、とさくっと保留にし、俺は踵を返して街の中心部へ向かった。

 その途中、近くの住居が大岩に押し潰されているのが見えた。あの岩なら穴を塞げる大きさがある。壁を塞げないのなら最悪、俺があれを動かして塞ぐべきかとも考えたが、すぐにその考えを捨てた。というのも、家並みの大きさの物体を持ち上げるのは、いくらそれが軽かったとしてもなかなか難しい。俺の力ならば、多少動かすことは可能かもしれないが、持ち上げるのはさすがに無理だろう。仮に持ち上げられたところで、周りの住宅が邪魔で運べない。何というか、ゴンさんを連れて来いと言いたいところだ。

(そういえば、巨人のオーラは確認していなかったな)

 ふと思い出した俺は、走りながら凝をした目で周囲の巨人を見た。巨人はどれも極薄いオーラで肉体を包まれていた。そして、そのどれもがうなじに強いオーラの塊を持っている。最初から素直に凝をしていれば、あっさり弱点も分かっただろうと思うと、自分の不甲斐無さに頭が痛くなる。油断し過ぎだと家族に怒られそうである。なお、時折、腹の辺りに弱々しいオーラの塊が見える個体も居たが、そのオーラの位置からすると、それは“巨人のものではない”と推測される。見ていて楽しい光景ではなかった。

 それはともかく、巨人のオーラにはどうにも不自然さを感じる。まるで纏をしているように、オーラが体の周りに張り付いているのだ。非能力者――つまり一般の生物のような垂れ流しではない。再生能力といい、高体温といい、栄養源といい、謎が多い生き物である。

(――さて。片っ端から助けて回るか)

 今まで街を見回ったところ、一般人は既に巨人の侵入点とは逆側の門周辺に集まり、兵達が避難の時間稼ぎをしているようである。壁を塞げないのなら、俺は当初の予定通り、殺されそうな兵や逃げ遅れた一般人を救助して回るのが1番だろう。そう考えた俺は、今度は一転してひと気のある方へ向かった。





 その光景が俺の目に入ったことは、彼にとっては幸運だが、巨人にとっては不運だっただろう。

 戦闘の気配を感じて、付近の建物の屋根に上がった際、俺は1人の青年が巨人に喰われかけている様子を目撃した。どうやら、街中で飛び回っている兵士らしい。俺と同じくらいの年齢に見える彼は、身の丈10mに満たない程度の巨人の口の中に下半身があった。上半身は両手に片刃の剣(一見するとカッターの刃のようだ)を握ったままの状態で、腕をばたつかせている。彼は剣を逆手に握ると、巨人の顔面にそれを突き立てた。だが巨人は怯む様子もない。周囲では彼の仲間らしき複数の兵士が彼を助けようとしていたが、他の巨人に阻まれて上手く行っていないようだった。

 やがて、青年の足掻きもむなしく、巨人の口が閉じられる。顔を絶望に染めた青年が、喉が張り裂けそうな悲鳴を上げる。

「あああああああ!!」

 ちょうど彼の胸の辺りに、巨人の異様に白い歯が喰い込んだ。そのまま喰い千切られる――という寸前で、俺の横槍が間に合った。

 今にも喰われそうな青年を見た俺は、左手で太股に装備したダガーナイフを抜くと、周をしたそれを巨人の顔に向かって投擲した。ちょうど下顎と頭蓋を繋ぐ関節部分を貫いたそれにより、巨人の顎の動きがぎしりと止まる。次いで屋根を蹴り、俺に出来る最速で巨人の肩に移動すると、そのこめかみを拳で砕いた。さらに両手を上顎と下顎に引っ掛けて上下に力を込めると、みちみちと肉が裂けて下顎が半ば外れる。するとさすがに、巨人は口に銜えていた若い男の半身をずるりとこぼした。青年は驚愕の表情で俺を見たが、すぐに剣の柄に付いているトリガーを引き、ワイヤーを射出する。ワイヤーの先にあるフックは、付近の建物の煙突に突き刺さった。彼はワイヤーの巻き取りによって体に負荷が掛かったのか、吐血したものの、それでも何とか屋根の上に避難することに成功した。一方の俺は、青年を咥えていた巨人のうなじを削ぎ落して殺すと、もう1体の巨人を仕留めるべくそちらに加戦した。

 やがてその巨人も死に絶えると、周囲に居た兵士達が屋根の上の青年の元に集まった。背中に薔薇の模様が刻まれた、茶色い上着の彼らはどうやら同じ班の人間らしい。青年を囲む兵士たちを横目に、俺は辺りを油断なく観察した。今のところ、他の巨人はこの付近には居ない。まだここでゆっくりしている時間はあるだろう。

 ところで、蒸発するのは巨人の死体だけではないらしい。俺は基本的に、周をした刃で常人(非能力者)には真似できない速度の斬撃を放っているため気付き難いが、先程巨人のこめかみから引き抜いたダガーナイフにべっとりと付着していた血液が、蒸気を上げて消えていくのを見た。死ぬと何も残らないのでは、生態研究もなかなか進まないのではないだろうか。知れば知るほど不思議で厄介な生き物である。

 閑話休題。俺が助けた青年は鎖骨と肋骨、左足が折れているようだが、噛み砕かれる寸前で助け出せたので、まだ息があった。しかし先程、血を吐いた事が影響しているのか、横になったままほとんど動けそうにない。青年の近くにしゃがみこんでいた、その隊の長らしい30代半ば程の男は、冷酷にも映る無表情のまま立ち上がった。

「……鎖骨と肋骨が折れているようでは、もう立体機動はできないだろう」

「そうなんですか?」

 兵士達の立体的な機動は、戦闘の要と見える。それができないとなると、戦力外通告に等しい。俺が思わず口を挟むと、隊長がこちらに振り向いた。

「君は確か、クラッセンと我々を助けてくれたのだったな。遅くなって済まないが、礼を言う」

 隊長は俺に頭を下げてから、青年――クラッセンを一瞥した。

「立体機動の際、全身に巻かれたベルトにかなりの重力が掛かる。折れた骨が内臓に押し込まれて、それこそ致命傷になりかねない」

 その言葉から推測するに、先程クラッセンが血を吐いたのは、無理な立体機動で骨が内臓に刺さったからかもしれない。確かにその様子では、立体機動はもうできないだろう。

「だったら俺がクラッセンを後方まで運びます!」

 すると、1人の兵士がそう申告した。だがすぐに隊長が却下する。

「駄目だ。我々には巨人共と戦う責務がある。撤退命令が下るまで抜けることはできない。それまでクラッセンは、どこかで待機しているしかない」

 それは、事実上の死亡宣告だった。元から青かったクラッセンの顔色が、更に紙のように白くなる。

「班長!!」

「クラッセンを見捨てるんですか!?」

 次々に他の兵士が声を上げる。仲間を見殺しになどしたくないのだろう。俺が彼らと同じ立場ならば、知り合いをこんな地獄のような場所に、死ぬと分かっていながら置き去りにするのは嫌だ(嫌だと思うものの、必要ならばあっさりそうすると断言できるような教育を受けたのだが)。

 すると、隊長――いや、班長がまるで空を貫く雷のような一喝を部下達に浴びせた。

「我々が今すべきことは何だ!?」

 途端、その場に居た兵士達全員の背筋に電流が流れたかのように、彼らが姿勢を正す。

「我々は住民の避難する時間を稼ぐために、命を賭して奉仕せねばならない。ただ1人であっても、兵力を削ぐわけにはいかない」

 班長は薄らと涙を浮かべた、だが揺ぎ無い目で全員を見回す。その場に重い沈黙が落ちた。やがてその沈黙を破ったのは、クラッセンだった。

「……こ、殺して下さい、班長」

 血混じりで蚊の鳴くような声だったが、聞き逃した者は誰も居なかった。クラッセンは口から血を零し、横たわったままガタガタと震えながら、意を決した顔で班長を見上げていた。

「どうせ俺はも、もう、駄目なんでしょう? でも、奴らに喰われて死ぬのは、嫌です。喰われる前に、ひと思いに俺を、ころ、殺して下さい……!」

「――分かった」

 班長は、クラッセンの顔の前に立ち、右手を振り上げる。その手には抜かれたままの片刃の剣が握られていた。巨人の血が蒸発した後の刃は、陽光を受けてギラリと輝く。

「巨人と、不甲斐ない俺を憎め」

「待ってください」

 今にも振り下ろされそうな刃を見て、俺は思わず班長を制止した。彼は剣を振り上げたまま、視線だけで俺に真意を問う。俺は一呼吸置いた後に答えた。

「俺が彼を後方まで運びます」

 周りで見ていた他の兵士達が、戸惑いの目で俺を見た。俺を信用できるのか測りかねながらも、可能性があるならばそれに縋りたい、という目だった。一方の班長は、無言のままだった。それは理由を求める目だ。

「俺は誰かの指揮下にいるわけではないので、その命令に従う必要はありません」

 実際のところ、単純に犠牲者を減らしたいのならば、俺もクラッセンを見捨てて、遊撃手のようにひたすら街を動き回り、他の兵士を手助けした方が良いだろう。だが、せっかく助けられたと思った命を再び死なせるのも気が沈む。ならば、手早くクラッセンを後方部隊か兵士達の本部へ送り届けた後、その足で兵団へ協力を申し出る。そして現在の戦況を頭に叩き込んだ後、より効率的に参戦するのも手かと思ったのだ。俺の実力は、クラッセンが多少証明してくれるだろう。駄目ならば、その時はその時だ。

「俺は俺個人の裁量で動けます。それから、自分の手の届く範囲も理解しているつもりです。――この人は、俺が助けたいと思えて、なおかつそれができると思う人です」

 す、と班長の目が細められた。やがて大した間を置かずに、ひとつだけ問われる。

「……君、立体機動装置を扱ったことは?」

「ありません」

 立体機動装置を扱った経験を問うたのは、もしそれが可能ならば、クラッセンの装備を俺に使わせるつもりなのだろう。通常ならば、巨人がひしめく街から脱出するには、立体機動装置は必要不可欠であるのだから。だが同時に、班長の言葉は俺の能力を確認する意味合いもあった。

 立体機動装置とやらも使わず、規格外な身体能力を発揮して巨人を屠る俺は明らかに異常である。そんな不審な人間は、追及するのが普通だろう。だが班長は、俺が装置を扱った経験の有無を聞き、装置への依存なしで驚異的な機動力を有することを確認しただけで、それ以上俺の身元に言及することはしなかった。それは一時的であろうが、自身の部下を任せるに足るという俺に対する信用だった。

「…………ここからまっすぐ北に行けば、住民が避難している門がある。恐らく、まだ開いているだろう。もし閉門に間に合わなければ、あの1番高い建物が補給部隊の待機所だから、そこへ向かってくれ」

「分かりました」

 俺は短く返事をして頷く。一方他の兵士達は、班長の言葉を聞くなり、3人がかりでクラッセンの装備を解除した。一抱えもある金属の箱を腰の両側にぶら下げているクラッセンを、そのままの状態で傷に気を遣いながら運ぶのはなかなか難しい。そのため、元より立体機動装置は外すつもりであった。しかし慣れない俺では、外すのに手間取ると思われたので、彼らの迅速な行動は有難い。

 外したクラッセンの装備は、屋根の上に置き去りにすることにした。持って行くことは可能だが、嵩張るのであまり持ちたくなかったのだ。ただでさえ重傷のクラッセンを抱えて行くのだから、彼以外に気を遣う要素を持ち運びたくない(立体機動装置が繊細な物体か否か、俺は知らない。適当に運んで壊しましたでは、持って帰る意味が無いのだ)。

 俺は、立体機動装置を外されてかなり身軽になったクラッセンを、慎重に横抱きにした。男のプリンセスホールドなど誰も見たくないだろうが、今は文句を言っていられない。この抱え方が、1番彼に負担が掛からないのだ。俺は両腕が塞がってしまうので、巨人をできるだけかわしつつ避難先へ向かう必要がある。

「君が何者かは問わない。――私の部下を、頼む」

 班長は、クラッセンを抱える俺にそう言い残すと、残った部下を従えて再び戦場へ戻って行った。俺は彼らを最後まで見送ることなく、彼らとは逆の方向へ疾走を始めた。



***



 ゾル兄さんの念能力を再確認すると、とあることに関してまさかのネタばれになるので、冒頭での注意喚起でした。

 都合良く104期生に会えると思ったか? 残念、ただのモブだよ!

 ちなみにお分かりかと思いますが、この後、この班はクラッセン以外の全員が殉職します。全員無事とか上手い話はないよ! あの戦いでどんだけ殉職者が出たと思っているんだ!



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