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ゾル兄さんとTOAのキャラ文章
萌え 2012/07/05 23:41


「……ルイ、何してんだ?」

 頭上からルークの戸惑った声が降ってきた。当然の反応だろうなと思いながら俺が口を開く前に、アニスが返事をする。

「鍛錬だそうですよ? ルイさんってば、普通の筋トレじゃ鍛錬にならないんですって」

 そのアニスは、宿屋の床で腕立てをする俺の背中に座り込み、いつも背負っているトクナガという人形の手入れをしている。ちなみにその隣には、さらにイオンが腰掛けていたりする。割り当てられた部屋の中のため、大して人目には触れないが、見てしまえば妙な光景だった。

 ルークの護衛として毎日人間やら魔物やらと戦っている俺だが、なんだかんだで常に手加減をしている。そのせいで体が鈍ってしまうことを恐れた俺は、自主的に鍛錬を積むことにした。しかしその段階で問題が発生する。俺はゾルディックに転生してから、毎日非凡な鍛錬をさせられてきた。今の俺の筋力は相当なもので、トン単位で物を持ち上げられる。そのため、普通の腕立てをしたところで負荷が全く足りないのだ。暇そうにしていたイオンとアニスに背中に乗ってもらったが、焼け石に水だ。何回腕立てをしても息一つ乱れない。チートであるが故にチートの維持に困るという、おかしなことになっていた。

「ルイが普段どんな鍛錬をしているのか気になっていたんだが……これは……俺には無理そうだな、色々な意味で」

 部屋の入口に立っているルークの背後からこちらを覗いたガイは、そう言って苦笑を漏らした。“色々”というのは、彼の体質も含まれているだろう。例えば女性恐怖症だとか。別に背中に乗せるのが女の子である必要はないのだが。

 すると今まで黙っていたイオンが、のほほんと口を開いた。

「大丈夫ですよ、ガイ。背中に人を乗せなくても、逆立ちすれば良いんです」

 導師様の優しさは斜め上に行ってしまったらしい。意味が分からず首を傾げるガイとルークのために、アニスが上司の補足をした。

「元々、ルイさんは逆立ちした状態で腕立てしてたんですよぉ。それでも全然重さが足りないって言うから、アニスちゃんとイオン様で乗ってあげてるんです」

 アニスの言葉に、ガイは乾いた笑い声を上げた。

「……どちらにせよ、俺にはちょっと難しいかな」

 ガイの反応は正しい。大道芸人さながらのことをしている俺がおかしいのだ。主にゾルディックのせいだが。

 すると、ガイとはずれた感性――良く言えば無邪気、悪く言えば無謀なルークが、あっけらかんと言い放った。

「そうかぁ? じゃあ俺はやってみようかな、逆立ち腕立て」

「危ないからやめてくれ!」

 さすが自称ルークの保護者。止めに入るまでが早い。その調子で頑張ってルークの子守をしてくれ、と俺は完全に他人事姿勢で考えていた。





 ガイはルークの保護者だと思います(キリッ
 ゾル兄さんはルークの世話をさらっとガイに丸投げ。ルークの相手はガイの方が向いてると思ってます。仕事はちゃんとしますが、ルーク達の深い部分には首を突っ込みません(所詮護衛なので、首を突っ込んでも意味が無いと思ってる)。ルークの実年齢を知ったら、もう少し世話を焼くようになるかも。
 イオンとアニスはゾル兄さんの背中でごろごろ。子供扱いしてもらえるので遠慮はしない。アニスは強かなので、単なる重りの役割も、ゾル兄さんはティアには頼まないんだろうなと察してる(セクハラ的な意味で)。察してる分だけ存分にごろごろ。



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