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リドハリ子幼馴染文章
萌え 2012/08/29 00:10


・ハリ子とリドルがマグル界で幼馴染設定
・少年リドルが既に選民思想に片足突っ込んでる
・一応リドハリ子と言えなくもない





 ハリーにはトム・リドルという幼馴染が居た。ダーズリーの家から少し離れた場所の孤児院に住んでいる彼とハリーは、スクールで偶然知り合った。ダドリーとその一味からよくいじめられているハリーと、何でも卒なくこなすトムが何故交流を持つようになったのか、ハリーには理解できない。何しろトムは当初、大人しくダドリー達の言いなりになるハリーを蔑んでいたからだ。その蔑みはきれいに隠されていたものの、他人の内心を図ることに長けつつあったハリーにはそれが感じ取れた。だからなおさら、トムが徐々に友好的に接するようになった理由が理解できない。

 トムのハリーに対する態度が変わり始めたのは、ハリーの身の回りで不可思議な出来事が起こるようになってからだろうか。ダドリーに隠された物がひとりでに手元へ返ってくる、いつの間にか違う場所へ瞬間移動している、ダドリーの母親であるペチュニアに切られた髪が翌日には元の長さに戻る。科学に飼い慣らされた人間には到底理解できない現象は、トムにとっては歓迎すべきものだったのだろうか。それまでハリーはトムに話しかけることはなかったが、その現象を耳にしたらしいトムは、いつの間にか彼女へ話しかけるようになった。ひっそりと冷たい眼差しを向けていた彼の変化は、ハリーにとって不思議で、不気味だった。だがハリーと仲良くしてくれる相手はとても貴重だったため、トムを不気味だと感じてしまった心は胸の奥底にそっとしまいこんだ。どんな理由でも、それが見せかけかもしれなくても、嬉しいことに変わりはなかったのだ。特に彼が、ハリーの身の回りで起こる奇妙な出来事を喜んで受け入れてくれたことが大きい。ダーズリー家の人々はそれを忌避し、時にはハリーに折檻すらしたが、トムはむしろ称えた。彼が一番喜んだのは、彼が連れてきた1匹の蛇とハリーが会話できたことだ。そのことで彼は何かを確信したらしいが、それが何なのかハリーは知らない。

 それからトムはよくハリーと過ごすようになり、同時にダドリーを分かりやすく疎んじるようになった。元々彼がダドリーを好きだとは思えなかったが、それがより顕著になったと言える。ハリーの傍にダドリーが居ると、トムは必ず嫌そうな顔をした。子どもらしくなく周囲に合わせてうつくしい表情を作る彼は、その時ばかりは負の感情を他人の前で分かりやすく露わにするのだ。そしてその度にトムはハリーに尋ねた。

「君はどうしてアレの言うことを聞くの」

 そんなことを何度聞かれても、ハリーは彼の満足する答えを返せることはなかった。何故なら両親を亡くしたハリーの身寄りは、ダーズリー家しかなかったのだから。一家の愛息子であるダドリーに逆らうほど、ハリーは身の程知らずではなかった。彼女もまた、賢い子どもであった。



 そんなある日、トムは夏休み中にわざわざハリーに会いに来た。孤児院に住んでいる自分をダーズリー家が蔑んでいると知っている彼は、彼らの目を避けてハリーをダーズリー家から少し距離がある公園へ連れ出した。

「ハリー、これが何か分かるかい?」

 そう言ってトムがハリーに見せたのは、1通の手紙だった。封筒に付いている剥がされた跡のある封蝋には、4匹の動物が象られている。何となく中身を見ることを躊躇したハリーは、真意を尋ねるようにほんの少しだけ高い位置にある彼の目を見上げた。トムは中身を見ようとしないハリーを咎める様子もなく、封筒ごとハリーの手を両手で包み込んだ。

「近い内に必ず君の所にも送られるものだ」

 何故そんなことが分かるのだろうと不思議に思ったハリーは首を傾げた。するとトムは口元を綻ばせる。

「いいかい? 僕等は特別なんだ。これはその証明だ」

 そう語るトムは心から幸せそうで、恍惚としていた。だが何故か、ハリーはそんな彼が怖くなった。トムの心境の変化を不気味だと感じた時と似ている。ハリーは彼から得体のしれない不穏なものを感じ取っていたのだ。だがやはり、ハリーはそれを隠した。怖くても不気味でも、彼の手を振り払う勇気はなかった。



 ――たとえここでハリーが恐怖でトムの手を振り払ったとしても、彼は容赦なくその手を掴み直すことを彼女は知らない。





※トムが確信した何か:ハリーと自分と同じ力を持つ特別な人間だということ。パーセルマウスが貴重ということは当時のトムはまだ知らない。

 ハリ子を若干蒐集癖の対象にしている感のあるリドル少年とかどうですか。ここのリドルは単純に卿の少年時代という感じで書いてます。ハリ子に手紙云々の話をしているときは、既にダンブルドアに脅しを喰らった後かと。あまり詳しく設定を考えてないので、ハリ子の額の傷とか両親の事情とかはさっぱりです。とりあえずハリ子の青春は半分くらいリドルへの恐怖で持っていかれそうだ。
 リドルが空恐ろしい感じのリドハリいっぱい読みたいなあ。やんでれおいしい。



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