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中途半端なルク兄さん妄想
萌え 2012/09/10 00:11


・本編7年前(=ルーク誕生時)にルークに憑依トリップした兄さん
・OPシーンをぶつ切りでつらつらと





(メイドに呼ばれるルク兄さん)



 公爵子息にしてはあまり広いとは言えない自室の扉がノックされた。そして上品な女性の声が扉の向こうから投げかけられる。

「ルーク様、よろしいでしょうか?」

 女性が呼んだ“ルーク”という名前は、今の俺の名前だ。またしても謎の異世界トリップを遂げてしまった俺の体の名前という方が正しいか。俺がこの世界にトリップして、謎の少年の体に精神を突っ込まれてから早7年。俺は慣れた口調で彼女に許可した。

「ああ、入っても良いよ」

 すると、静かに扉を開けて1人の女性が部屋に入って来た。彼女はこのファブレ公爵家で働くメイドだ。黒地に赤い縁取りのメイド服は、スカートが膝丈なので古風なメイドよりも今風のデザインだが、それでも下に履いたタイツのお陰か露出度は低く、下品ではない。扉を開けた状態のまま(男女が2人きりで部屋に閉じこもるのは良しとされない)部屋の入り口で俺に一礼した彼女は、要件を告げた。

「ファブレ公爵様がお呼びです。食堂までお越しくださいませ」

「分かった。ありがとう」

「とんでもございません」

 俺より少し年嵩程度のメイドは綺麗に再び頭を下げると、美しい仕草で退室した。椅子に座ったまま要件を聞いた俺は、その状態で伸びをしてから立ち上がった。そして傍らにある姿鏡を覗き込む。

 鏡の中で明るい緑色の目を細めている、齢17歳になるルーク少年はイケメンである。身長が元の俺よりやや低いことが残念だが、彼はまだ成長期であろうし、そもそも俺とは比べようもなくイケメンである。この顔なら“※ただしイケメンに限る”プレイができるに違いないと確信できる。彼は母親似なのか、はたまた俺の穏やかな表情のためか、凛々しい父親よりも柔和な母親の顔立ちに似ている。ちなみに、どちらに似ても美形なのは言うまでもない。そんな彼の、夕焼けのようなグラデーションを描くファンタジックな長い赤毛は、日々の手入れがきっちりと行き届いているお陰で艶やかだ。それを慣れた手付きでうなじから結んで1本のみつあみにする。ポニーテールにした程度ではまだ鬱陶しいくらいの長さなので、みつあみにするようにしているのだ。母親から貰った高価なリボンでしっかり髪を結ぶと、俺は近くに置いてあるコート掛けに手を伸ばした。

 俺はよく着ているフード付きの白いロングコートを羽織る。黄色の縁取りがされているそれは裏地が緋色という、王族臭いデザインだ。背中の生地は腰の辺りまで二股に分かれており、ばっさばっさと翻る度に裏地が見える。俺はそんなコートをいつも七分の袖を一度折って肘丈にして着ている。本当は真っ白なロングコートなど汚れが目立つし何となく恥ずかしいから好きではないのだが、長袖のインナーとズボンは黒で押し通したので我慢する。ちなみにブーツは膝下丈で、黒と赤が入り混じっている。武術の訓練の時にも履いているブーツなので、結構頑丈だ。

 俺は一通り身だしなみを確認し終えると、最後に貰い物の指輪を右手の中指に嵌めてから狭い自室を出た。俺の部屋は中庭に面した離れにあるので、部屋を出ると円形に整えられた白い石畳と、庭師が丹精込めて世話をしている花々が目に入る。



 ここまで書いたらもうちょい書けよって話ですよねほんと。でも何でか知りませんがスイッチ切れました。
 ルク兄さんは原作ルークよりも穏やかです。中身が兄さんだからそんなもんですよね。公爵子息になっても冒険できやしないのが兄さんです。丁寧な物腰って大切。あと腹は出しません出せません。そういう冒険もできません兄さんですから。ついでに兄さん的に、髪はばっさり切りたいけど切らせてもらえない。キムラスカの王族は赤毛伸ばす習慣になってるから仕方ないですね。





(ルク兄さんの武装)



 俺は腰にベルトを2重に巻き、左右に大振りの譜銃を1丁ずつ提げた。武器の予備は必ず持っておけという先生の教えである。そして訓練でもその重さに慣れるためと言う名目でフル装備している。



 ヴァン師匠との訓練前の準備シーンのつもりでしたそして挫折。ルク兄さんの武器は譜銃です。そして先生はヴァン師匠が引っ張ってきたリグレットさんです。ルク兄さんはリグレット先生と呼んでます。ちなみにルク兄さんは2丁銃じゃないよ1丁だよ。その代わりリグレット先生よりも大振りの銃で一撃の威力が高いよ。でも手数は断然リグレット先生の方が上だよ。腕前も当然リグレット先生の方が上だよ。それとルク兄さんはヴァン師匠に対してグランツ謡将呼び。なんだこの距離感。ごくたまに護身術の先生やってるのにこの扱い。ヴァン師匠的には、まあリグレットと仲良いからセーフとか思ってます。そんなことはないよ師匠。





(ティアの公爵家襲撃シーン)



 うわ、めちゃくちゃ緊張する。人に向けて撃つのはこれが初めてだからか。普段は片手で構えられる銃を、今日はわざわざ両手で構える。外した時が怖かった。そして俺は威嚇として1発、少女の足元に銃弾を撃ち込んだ。銃に装填されているのが実弾ならば、跳弾の危険があるが、これは譜銃だ。大気中の音素を使用者を介して取り込み、それを弾として発射する仕組みらしい。譜弾は石畳を抉るだけで、その破片とも言える散った光は大気に溶け、周囲を傷つけなかった。……一瞬、石畳の修繕費もったいないと思った俺は、危機感が足りないと言うより半ば現実逃避しているのだろうか。俺は銃口を上にずらし、驚いてこちらを振り向く少女の腹辺りに照準を合わせた。彼女の正面に居るヴァンは未だに譜歌の効果が続いているのか、膝をついている。早いところ起き上がって、そこの侵入者を拘束してほしいのだが。もしくは屋敷の白光騎士団。あるいはガイ。頼むから頑張ってくれ。だって俺、見るからに危険な人間に近付きたくないし。だから銃の扱いを教えてもらったくらいだし。

「そこの侵入者。それ以上動けば威嚇では済ませないぞ」

「……っ! 邪魔をしないで!」

 残念美少女は、薄青い切れ長の目できっと俺を睨みつけた。おお、怖い怖い。なまじ美少女なだけに睨む顔が恐ろしい。

「人様の屋敷に無断で入り込んで何言ってんだ」

 頼むからそれ以上ヤバそうなことをしないで欲しい。俺は人を撃ちたくない。どの道公爵家を襲撃したのだから漏れなく死刑ルートだろうが、それでも自分で手を下すのとそうでないのとは違う。それに、俺に何かあったらシュザンヌ様が心労でベッド行き確定になるので、穏便に終わらせてほしい。



 ルク兄さんが武装に銃を選んだのは、ハンター世界でのハザマさんとの修行で、自分の剣術に限界を感じているからという理由もあります。ハンター世界ほどチートな身体能力でもないのに、剣術で身を守れる自信はなかったんです。
 妄想だと色々と気楽に浮かんで良いですね。



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