ルク兄さんとガイとの会話
萌え 2012/09/12 22:53
・本編前のガイとルク兄さんのちょっとした会話
・武術の稽古を始めるとファブレ公爵に言われたルク兄さんが銃を選択
=ヴァン師匠はお役御免かサブ師範かなという会話がファブレ公爵&ヴァン師匠&ルク兄さんであった直後
・まさかの水面下殺伐展開でガイ落ち着け
「ルーク様」
ふと明るい中庭で呼びかけられた俺は、声が聞こえた方向に振り向いた。そこに立っていたのは、ガイという今の俺の体よりいくつか年嵩の青年だった。
「ああ、ガイ。どうしたんだ?」
使用人やメイド、警護の騎士達に様付けで呼ばれるのはいつまでも違和感が拭えないのだが、公爵子息という立場でこの家にいる以上、俺はそれに慣れなければならない。貴族として相応しい態度を取ることは自分自身のためであり、家のためであり、仕えている使用人たちのためになることなのだ。俺としては使用人達と気さくな態度で交流したいのだが、それを許しては周囲に舐められてしまうし、俺にはそれによって落ち込むであろう評価をどうにかする力がない。ならばそもそも、問題を起こさないように過ごすのが1番だ。だから俺は、ガイに様付けで呼ばれることを受け入れる。
ガイは優男然とした容姿に相応しい微笑みを浮かべ、口を開く。
「何故、銃を選ばれたのですか?」
ガイが俺に投げかけた質問は、一見すると純粋な知的好奇心とも受け取れる。だが続く言葉に、俺は内心で首を傾げた。
「グランツ謡将は優秀な譜術剣士です。剣術か譜術を学ばれた方がよりルーク様のお役に立つかと思いますが」
俺に進言するガイの姿は、俺のためというよりも、グランツ謡将の肩を持っているように映った。彼らには何らかの繋がりがあるのか……と疑うのはいくらなんでも飛躍しすぎているだろうか。単純に剣士のガイが一流の譜術剣士であるグランツ謡将を尊敬しているだけかもしれないし、記憶を失う前のルークが剣術を学んでいたことを踏まえ、同じ物を学ぶことを勧めているだけかもしれない。疑うことは大事だが、邪推のし過ぎは良くない。ここは素直に言葉をそのまま受け止めよう。
「一流の人間から使わない技術を学ぶより、二流の人間から使う技術を学んだ方が良いと思っただけだよ」
「は……」
ガイは俺の答えに半ば呆然とした。
俺は「銃を舐めているわけではないけど」と前置いて続ける。
「剣は修得するまでに長い時間がかかるし、適正には個人差がある。でも銃なら最悪、引き金さえ引ければ撃てる。それに剣と違って相手に接近する必要がないし、一発の威力も高いから、そこそこ腕を上げれば剣術を磨くよりも生存率が上がりやすい」
銃の素晴らしさといえば、その扱いの簡単さが挙げられるだろう。標準的な大きさの(よくドラマで見かけるような)銃ならば、引き金さえ引ければ発砲できる。それこそ、子どもにだって扱える(無論、発砲時の反動や照準の付け方、銃の手入れなどを含めれば話は変わるが)。一方、剣はそれを振るうまでに相応の筋力が必要であるし(太刀筋などを気にしなければ筋力があれば何とかなるが)、相手に接近する必要があるため反撃を受けやすい。護身を第一に考えるならば、銃の方が向いているように思える。
「生存率……」
何とも言えない表情になったガイに構わず、俺はつらつらと語る。
「まずは自分の身を守れてこそだろ、武術ってやつは。それさえできないのにそれ以上を望むのは筋違いだし、周りにも迷惑がかかると俺は思ってる」
今の俺の立場は王家に連なる公爵家の長男だ。一応ファブレ公爵家は軍人貴族であるため、戦争となれば俺も軍人を率いることがあるかもしれない。だが基本的に俺は護られるべき立場の人間だ。そんな俺は、率先して外敵に近寄るような護身術を身につけるよりは、敵と距離を保ったまま身を守る術を手に入れた方が役立つのではないだろうか。
「それに何も俺に稽古をつけるのが、グランツ謡将だと限ったわけでもないしな。彼に銃の心得がないなら、別の人間に師事すれば良いだけだ」
そして俺は何気なしにそう締めくくった。……つもりだったが、今の俺のセリフは、ガイにとってはかなり衝撃的だったらしい。彼は目を丸くして俺を見つめた。
「貴方は……」
ガイは見開いた目を一度伏せると、何かを堪えるような表情になって言った。
「貴族らしさを失ったと同時に、別の貴族らしさを手に入れたんですね」
(……? なんだ、これ)
ガイの言葉は使用人という立場ではかなり危うい。相手によっては不敬罪と取られかねない綱渡りのセリフだが、俺にはそんなことよりもっと別のものの方が気にかかった。
まだ幼さが残るガイの凛々しい顔立ちに僅かな陰りが見える。それは表情が見せるものと言うより、内包された何かが外に漏れ出しているものに思えた。“何か”が何を指しているのか明確には分からない。だが、爽やかな好青年として通っている彼には似つかわしくない、どろりと淀んだものではないかと俺に思わせる。そう邪推してしまうくらいに、俺は今の彼に背筋を冷たくさせられた。
俺は他人の心が読めるエスパーではないが、それだけに余計気持ちが悪い。時間があれば彼の身辺でも漁ってみるかと俺は密かに決心した。
Q.何でガイが黒くなったのか。
A.ヴァンに懐いていたはずのルークが、記憶を失くしたとはいえ、あっさり彼を切り捨てるようなことを言ったから。ルク兄さんは単純に選択肢の話をしただけなのにね!
Q.失った貴族らしさと得た貴族らしさって何。
A.↓な感じです。
失った貴族らしさ=ファブレ公爵に似た厳格さ(誰にでも穏やかで優しい)・糞真面目な優等生さ(力の抜き方を知っている)・幼い頃に婚約者とイケメンな約束をするませっぷり(子どもとイチャイチャは無理)
得た貴族らしさ=計算高い(死亡フラグ折りに必死)・簡単に人を切り捨てる冷たさ(ガイの誤解)・子どもらしくない(大人ですから)
ガイはルク兄さんへの好感度が高いわけではないので、話を何でも良い方向に解釈してくれるとは限りません。
ルク兄さんは原作ルークと違ってガチのお子様ではないので、無邪気さでガイの復讐心をへし折るのはまず不可能です。場合によっては変に誤解され、新たな死亡フラグが立てられる可能性すらあるという。21歳まで何だかんだで復讐心を抱えてた男なので、それをこじらせて妙な方向に向かうかもしれない恐怖。誰か原作ルーク連れて来い。
ガイとルク兄さんの会話と言われてぱぱっと考えたのがこれとか酷いですねすいません。兄さんが成り代わったら状況が必ず良くなるなんて、まさかそんなおいしい話があるわけがない。
このままだと、ガイとルク兄さんがガイと原作ルークと同等かそれ以上に仲良くなる姿が思い浮かばない件について。一般人同士で会えば普通に話す仲だろうにね! ガイとルク兄さんで色々妄想された方すいません。ここから萌えられるように頑張ってください←
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