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リドハリ子幼馴染文章その3
萌え 2012/10/08 01:13


・ハリ子とリドルがマグル界で幼馴染設定続き
・やっぱりリドルの性格が悪い
・やっぱりハリ子がリドルを怖がっている
・かろうじてリドハリ子
・ホグワーツに行く前(リドルはダンブルドアと対面済み)





 マグルのスクールには、ハリーの友達は居なかった。それはハリーをいじめるダドリーのせいだけではない。

 昼食の時、下校の時。長い自由時間を共にする相手として、トムは必ずハリーを誘った。人気者の彼は必ず他の誰かに誘われていたが、トムはそれらをやんわりと、だが断固として断り続けた。そのため、そのしわ寄せがハリーに向かった。ハリーは、ダドリーのことがなくてもクラスメイトから避けられたり、あるいは冷たい目で見られるようになった。幸いなことは、ダドリーがその取り巻き以外のクラスメイトからは遠巻きにされていたため、彼に同調してハリーに暴力を振るうような者が出なかったことだ。これ以上痛い思いをしなくて済むことに、ハリーはほっとした。

 だが同時に、どうしてトムは自分に関わるのだろうとハリーは思い、頭の良い彼が遠回りに自分をいじめるためだろうかと邪推したこともあった。ハリーはそんな悪いことを考えるたびに頭を振り、それを否定する。偽りでも、差し伸べられるトムの手はいつも温かかった。その手を離してしまうのは、とても寂しい。

 ――ハリーの邪推は、その一部が合っていたのだが。





 学校が夏期休暇に入ったある日、トムがハリーを公園に連れ出した。その公園はハリーの家から少し離れた場所にあったので、トムは何をするつもりなんだろうとハリーは少し怖くなった。だがそれは杞憂で、彼はどうやらハリーに警官を促すつもりだったらしい。周囲に誰も居ないことを確認したトムは、公園の片隅でハリーと向き合い、告げた。

「いいかい? 僕等が蛇と話せることを誰にも言ってはいけないよ」

「……どうして?」

 ハリーが小首を傾げると、リドルは声をより一層潜めた。

「蛇語を話せる人間は、魔法使いの中でも非常に少ないんだ。だからそれがバレたら、一体どんな恐ろしい目に遭わされるか分からない」

「おそろしい、め」

 ハリーには、トムが言う「恐ろしい目」はクラスメイトやダドリーが言うものよりもずっと恐ろしいものに思えた。彼らに冷たくされることよりも恐ろしい何かが身に振りかかるなんて、想像すらしたくない。ハリーの顔は青褪め、体が震え始める。

 するとトムは突然、ハリーを抱き締めた。ハリーは驚いて咄嗟に離れようとしたが、トムの腕はそれを許さなかった。緊張と驚き、怯えで震える小柄な体を押さえ込んだトムは、ハリーのふわふわとした髪を撫で梳きながら耳元で囁く。

「誰にも言わなければ良いだけだよ。簡単だろう?」

 彼の抱擁にはいつも、恐怖と同時に安堵を感じる。どちらの感覚が正しいのかハリーには分からない。ただ、彼の体温はハリーの体から少しずつ力を抜くことができた。ハリーは彼に応えるように、ゆっくりと自分の腕をトムの背中に回した。こうすると、トムはとても機嫌を良くするのだ。

「……うん」

 弱い力でトムの背中を掴むと、ハリーは小さく頷いた。するとトムは満足気に微笑み、ハリーを褒めるように額に唇を落とした。やはり機嫌を良くしたらしい。ちなみにハリーは、彼からのキスが欲しくて腕を伸ばしたわけではない。単純に、機嫌が悪い彼より、機嫌が良い彼の方が怖くないからだ。

 トムは次いで頬にもキスをすると、額同士を付けて至近距離でハリーを見つめた。

「僕達だけの秘密だよ」

 ハリーだって、怖い目に遭いたくなどない。ハリーは大人しく「うん」と返事を返した。





※合っていた一部の邪推:リドルがハリ子を囲い込んでいる。「ハリーは僕の言うことだけ聞いていればいいよね」的な発想。



 リドルは自分のせいで周りに嫌われるハリ子への配慮はしません。あくまでハリ子が自分の言うことを聞いていればいいので、ハリ子が周りからどう思われているかはどうでもいいです(不利益が生じる場合は別)。自分がべたべたするからハリ子が冷たくされているのも知っていますが放置です。性格悪いね!
 ついでに、既にダンブルドアが嫌いなリドルは、蛇語のことを知っているのが自分とハリ子だけという嘘をさらっとハリ子についてます。


 幼馴染リドルのテコ入れ(笑)のつもりで書いたのにテコ入れになってない件について。彼は性格が悪いからな……



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