更新履歴・日記



フェイあね兄
萌え 2012/10/08 22:49


・前にちょこっと書いたにょた兄さんとフェイタンの続きっぽいもの
・兄さんがクロロの念能力のせいで女の子にされました
・あね兄さんはフェイタンよりちびっこ
・前回フェイタンに拉致されてごにょごにょされた翌日
・クロロは兄さんの想像の中でフルボッコにされる生き物





 フェイタンに散々な目に遭わされた俺は、その現場である寝台の上で目を覚ました。そこは窓がない部屋だったが、ところどころ亀裂が入ったその隙間から、朝の光が差し込んでいた。

“あの最中”で拘束され続けた俺の手足は、自由になっていた。いつものことだ。俺の意識が戻る頃には、俺の手足を拘束していた物(縄だったり鉄枷だったりする)は必ず外されている。最初はフェイタンが自分のコレクション(悪趣味過ぎる……)を放置するのは嫌だからだろうと思っていたが、最近ではそれだけではないのだと気付いた。実践的な意味で拷問の専門家であるフェイタンが、無意味にきつい拘束状態を継続することはない。血の巡りが悪くなった手足がどんな末路を迎えるのか、彼はよく知っている。俺の手足(念能力の関係で、主に両手だろう)が使い物にならなくなれば、団長であるクロロの命令に背くことになるので、彼は“最中”もかなり手加減しているし、最低限の後始末も欠かさないのだ(拘束を外すだけなので、最低限過ぎて俺にとっては全く快適ではないが、いきなり親切にされても恐怖である。それにそもそも俺に対して関わらないでいてくれるのが1番の親切だ)。

 そんなわけで、事を終えた後の俺はまさに身一つでその場に放置されるのが常だった。だから俺が瞼を再び開いた時、1人きりの殺風景な部屋が目に入って安心できるはずなのだが。今日に限って、本当に意味不明なことに、目を覚ました俺の目の前に象牙色の肌が見えた。俺と同じ黄色人種のそれは、だが俺に安堵を全くもたらさない。恐る恐る視線を上げていくと、硬質な黒髪と下ろされた瞼が確認できた。――フェイタンだ。

(……なにこれこわい)

 フェイタンと1つの寝台を共有しているという珍事に、俺はまず恐怖を覚えた。今までのパターンから考えて絶対にありえないことなのだ。シャルナークは何だかんだで“こういう時”はべたべたしてくるので、起きた時にこんな状態だったということは何度もある。それに短気なキレキャラではないので、いきなり目の前に出現しても口から心臓が飛び出そうになることはあまりない。だがフェイタンは別だ。恐怖の権化である彼を目の前にすると、心臓どころか魂的な何かまで口から飛び出しそうである。

(え、なにこれ。俺はどうすれば正解なんだ)

 目を覚ました俺はこれから一体どうすれば良いのかと悩む。下手な行動は痛い目に遭わされる原因になりかねない。だがフェイタンのご機嫌取りの方法は微妙に分からない。ご機嫌取りの一環でいたぶられては堪らない。

 とりあえず密着している状態が心臓に悪すぎるため、彼から距離を取ることにした。その段階になって自分が女体化させられた上に(クロロは滅べ)素っ裸であると思い出したが、服の心配は心臓の無事を確保できてからすることにする。俺はまだ寝ているらしい(彼が俺の前で寝るなど信じられない)フェイタンを起こさないよう、そろそろと寝台の中で後ずさった。2人で同じ寝台に入っているだけで、抱き込まれては居ないので動ける状態なのが幸いだった。だがそもそも俺がフェイタンに隠れて行動ができるほどハイスペックなわけもなく、俺が10cmも移動しない内にフェイタンの瞼が上がった。

「…………おはようございます」

 どうにか絞り出したのは、何の変哲もない朝の挨拶だった。フェイタンは無言で俺をじっと見つめると、唐突にこちらに手を伸ばしてきた。顔面に近付く手が予想以上に大きく見え、そういえば今の俺はフェイタンよりも小柄だったのだと思い出した。俺はつい反射で顔を仰け反らせるが、彼は構わず手を伸ばし――俺の首辺りで何かを指に引っ掛けるような仕草をした。すると突然俺の後ろ首が引っ張られ、俺は軽く咳き込みながらフェイタンに顔を寄せる羽目になった。フェイタンはもともと細い切れ長の目をさらに刃のようにし、至近距離でにぃと笑った。

「相変わらずチビね、お前。いい気味よ」

 俺は朝っぱらから馬鹿にされたのか。だがそれに反発する気力もなく、俺はただ顔を引き攣らせた。お前はそんなに俺の身長が縮んだことが嬉しいのか。とりあえずクロロは女体化した挙句にヒソカに尻を追い回されて怯えとけば良い。俺の目が届かないどこかで。

「一生そうしてるといいね」

 フェイタンは俺をじろじろと眺めてからそう嘲ると、更に俺を引き寄せて俺の唇に噛み付いた。

 俺の首に引っ掛かっていたのが首輪だと俺が気付くのは、もう少し先のことだ。





 フェイ兄神へのお見舞いというかすごく心配というかテコ入れ支援です。

兄さん「IF設定だと酷い目に遭わされるのがデフォってどういうことなの」
フェイ「お前はワタシに虐げられる生き物て決まてるよ」
兄さん「やめてくださいしんでしまいます」
フェイ「あ? ワタシが力加減を間違うと思てるか?」
兄さん「いやそういうことじゃ……ってこのやり取りどこかでやった気がする」



シャル「オレ、名前しか出てないんだけど」
クロロ「オレの方が名前が出た回数が多いようだな」
シャル「でもクロロの場合は扱いが酷いから、やっぱりオレはこのポジションでいいや。オレみたいに軽くイチャイチャできるポジションはおいしいしね」
クロロ「…………」



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