ゾル姉さんとイルミ
萌え　2023/08/11 23:41


・見た目はゾル兄さんをそのまま反転。
・キキョウママ似のスレンダーながらお胸のある美人。
・イルミの性癖壊れてそうな話。
・ミルキは姉萌えしない性格になってそう。（現実に姉がいると萌えない理論）





「姉さん、彼氏なんて作ってないよね」

　イルミは不定期に俺の彼氏チェックをしてくる。弟が俺のそんなもんをチェックする時点でメンタル砕けそうなのだが……違うな、今世の俺が女性という時点できっついわ。転生の時点で心砕けてるってのに、さらに石臼で挽き潰す真似はやめていただきたい。なおスタイル抜群のクール系美人だったりする。中身が俺じゃなければ何の問題もないのに!!　神は死んだ！　違う神よいい加減にしろ！　俺は女の子のおっぱいを揉みたいが、自分のおっぱいは揉みたくないんだ！

　俺は目一杯不機嫌な顔をして年子の弟を見た。俺じゃなくてイルミが女性になっていたら、オリエンタルビューティーな妹ができていたというのに……なぜこうなった。神は空気を読め。

「そんなもん作るわけないだろ」

　作らないと死ぬなら偽装彼氏くらいは作るかもしれないが、さすがにそんな展開はあり得ないので彼氏はいない。未来永劫いない。俺の油汚れよりも頑固な自我が爆散しない限りはその予定だ。というか、下手に偽装彼氏を作ったら俺じゃなくて相手が死ぬ気がする。

　しかしそれはそれとして、イルミがシスコン過ぎるのはどうかとも思う。今に始まったことではないが。イルミは気付いたらこんな感じにすくすくと育っていたので、何が原因なのかさっぱり分からない。原作の時点で弟（キルア）大好きだったはずだし（雑な記憶）、イルミという人間にそういう素質があるのだろうか。

「もし将来、縁談とかきたらどうするんだ。いや断るけどさ」

　キキョウママが流星街（存在しない町）出身なので、ゾルディックに馴染めるのなら出自が一切問われないのは分かっている。逆に言えば、出自がどんなに良かろうがゾルディックでやっていけるとは限らない。それだけに、ゾルディックでやって行けるようなある種有能な奴が、わざわざ婿だか何だかとして立候補してくるとは思えないのだ。シルバパパからその辺りを仄めかされたことは一度もないので、恐らく生涯独身を通せるだろうと思ってはいるが……通させてくれ頼む。

「結婚なんてしなくていいよ。姉さんはオレが一生養うから」

「一生弟の脛を齧るとか嫌すぎるわ」

　兄じゃなかった姉の威厳が死ぬからやめてくれ。

「大丈夫。オレは頑丈だから」

「脛の頑丈さは関係ないんだよなぁ」

「それに姉さんなら自力で稼げるでしょ」

　家業の手伝いで稼げるのは間違いない。仕事一件で、俺が教師として働いた場合の生涯賃金などあっさり超えるくらいには。人の命とは塵芥の様に扱われる一方で、恐ろしく価値の高いものでもある。

「確かに贅沢しなけりゃ一生楽して生きられる額は既に持ってるけど。……そうか隠居生活もありか」

　実際は隠居させてもらえないだろうが。俺に家族の庇護がある実家を出て外界で暮らす度胸がない以上、無駄飯ぐらいは許されない。俺にとって家を出るかどうかは、割と生死にかかわってくる話題でもある。

「隠居したらオレが会えないからダメ」

　隠居を家出と捉えたのか、若干不機嫌そうな雰囲気を出してきたイルミが、俺がうなじで縛っている銀髪を指でくるくると弄り出した。女の子だからと俺の外見を弄りたがるキキョウママを見て育ったせいか、イルミは結構簡単に人の髪というか頭を触ってくる。

「なんだよイル。まったく、お前は兄ちゃんのことが大好きだなぁ」

　俺は顔半分ほど上にある頭に手をやり、わしゃわしゃと撫でてやる。身長こそにょきにょきと伸びて追い越されたが、イルミは昔も今も変わらず可愛い弟だ。こいつは表情があまり変わらない代わりに言動でアピールしてくる。弟は俺の首筋にぐりぐりと頭を押し付けた。

「姉さんでしょ。もちろん大好きだよ。だから余所に行かないでね」

　余所に行くことが嫁に行くこととイコールなら、イルミのお願いは叶えられるだろう。俺は嫁なんぞ行きたくないし。野郎の時点でお断りだが、そもそもゾルディックの家族が認める旦那だか婿殿なんざ、俺の感性では碌でもない確率が高い。……幻影旅団のマチみたいなお嬢さんと百合夫婦になれるならちょっとは考えるかもしれないが。

　俺が若干不埒なことを考えたのがバレたのか、イルミが俺の髪を鷲掴んだ。力は入っていないが俺の髪は手綱じゃねーんだわ、拗ねるな禿げる。



＋　＋　＋



ゾル姉さんにはキルアと違って反抗期（）がないので、姉さんに突っ撥ねられたことがないイルミは、自分から離れて行かない限りは割と姉さん全肯定の姿勢（兄さんでも共通）。
ただし、笑顔も可愛ければ怒り顔も泣き顔もなんなら血反吐吐いてても可愛いと思う感性なので、一般人の感性で受け止めると酷い目に遭う模様。



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