ある晴れた日。今日私達はは陽だまり幼稚園へ高校の授業の一環として職業体験に来ました。陽だまり幼稚園へやってきたメンバーはいつもの5人、佑希と悠太と要と春と私です。

「じゃあ、私は園長先生に用があるから…ちょっとよろしくね」

そう言って申し訳なさそうに微笑むのは、私達が幼稚園へ通っていた時担任を受け持ってくださっていたかおり先生です。相変わらず美人です流石かおり先生。要はまだかおり先生のことが好きなのでしょうか。まあ今はそれも良いでしょう。問題は要とかおり先生の恋の行方より別にあります。かおり先生が教室からいなくなった途端、がきんちょ達は一斉に押し掛けてきました。要は命綱である眼鏡を強奪され春は女の子と間違えられ求婚されるなどなかなか無理難題を押し付けられる仕事のようです。将来は絶対保育士になりたくはないと思いながら、私は隣に立っていた悠太と祐希に目配せし、私は春を、2人は要を救出(からかい)に向かいました。

「春、助けにきましたよ」
「あ、名前ちゃん!うわ〜ん、助かりました〜」

到着した途端春に泣き付かれました。どうやら彼の相手だった男の子はかなりの強敵なようです。

「お、ねーちゃんもなかなかかわいいな!髪短いねーちゃんとやりあえるぜ!」
「それはどうもありがとうございます」
「おう!だから結婚しよーぜ!」
「いえ、いきなり結婚はちょっと…私きちんと段階踏みたいんで。というか日本では一夫多妻制は認められていませんよ?」

求婚を断わったにも関わらず男の子は私の手を取ると顔を近付けてきました。これは大変です。この男の子は話の筋が読めないことを将来からかわれてしまうかもしれません。

「駄目だよ」

すると視界に影が入り、悠太の声が私の頭上から聞こえてきました。と同時に誰かの手によって隠される私の口元。見上げるとやはりそこには悠太がいます。そしてやはり私の口元を覆っていた手の持ち主は彼でした。はて、何故でしょう。彼は要の救出に向かった筈でしたが。飽きて逃走してきたのでしょうか。祐希ならともかく、悠太らしくありません。

「駄目だよ。お姉ちゃんは俺のお嫁さんになるの」

なんと口から飛び出したのはプロポーズです。いつから彼は私の人生のパートナーになったのでしょうか。少なくとも今日この時まではただの幼馴染だった筈なのですが

「だから悪いけど諦めてね」
「ちぇー」

男の子は口を尖らせて何処かへ歩いて行ってしまいました。勿論春を連れて。ご愁傷様です春。一方で、しゃがみ込んでいた私は悠太にひっぱられ立ち上がります。そして私が見たのはいつもとは違い少し怒ったような、拗ねたような表情をした悠太でした

「どうしたんですか悠太、要の眼鏡は取り戻せたんですか」
「まだ」
「なら何故此処に」

私が首を傾げると悠太に溜息を吐かれました。結構ショックです。

「あのさあ、」






いい加減気付けば?

(俺がずっとあんたのこと好きなの)










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