2月神奈川、雪が降りしきる季節。

「あーもう、だりぃッスよ。めちゃくちゃやる気満々だったのに。」

普段ならテニスコートで練習に励んでいる時間。しかしあまりにも雪が積もっていたため練習は中止になってしまった。

「テニスを忘れて家でゆっくりするのもいいじゃないか。」

「うーん。まっ、柳さんがいるからいいけどっ!」

赤也はふてくされながらも内心は嬉しいようだった。




―――



「それにしても…やみませんねぇ…。」

とくにやることもなく、赤也は窓の外をぼんやり眺めていた。尋常でないほど積もっている。

「そうだな…。赤也、英語をみてやるからこっちに来い。」

「嫌ッスよ!!こんなときにまで俺の苦手科目をやらせるんすか。他のことやりましょうよ、他のこと!



…あっ!」

赤也が思い立って大声をあげた。

「どうした?」

いきなりのこと驚き、柳は開眼してしまった。

「雪だるま作りません?」

柳は少々ためらったが、

「ふっ…たまにはいいな。」



――――


ぎゅっぎゅっぎゅっ

ごろごろごろごろ

ぎゅっぎゅっぎゅっ

ごろごろごろごろごろごろごろごろ

二人で手分けをして雪だるまを作る。端からみれば兄弟みたいだ。

「頭は完成しましたよー。」

「俺も完成済みだが、それでは頭でっかちになるぞ。あと少し小さくしろ。」

「こんくらい大丈夫ッスよ!…っ、よいしょっと。」

赤也は柳の忠告も聞かず、頭を胴体部分へと乗せた。


ぐしゃっ


ごろごろごろごろ


べしゃっ



胴体は頭の重さに耐えきれず崩れ、頭は転がって潰れてしまった。


「せっかくの努力の結晶がぁぁ!」

「だから言っただろう。」


そんなことなど聞きもしないでまたせっせと雪玉を作り始めた。


「まだ作るのか。直に暗くなるぞ?」

「8体作るまでやめませんよ。」

「なぜ8体なんだ?」

柳の質問に赤也は目を丸くした。

「レギュラーの人数に決まってるじゃないッスか!!」







その夜、雪は降りやみ辺りは一面きれいな雪景色となった。



――――翌日。

ガショガショガショガショ

「やーなーぎさんっ!」

早朝(?)3時、柳は突然の声に再び開眼した。窓を開けると赤也の姿が。

「みてくださいよ、これ!」

柳家の庭に8体の雪だるま、枯れ木で"RIKKAI YUNIBA-SU"と描かれていた。

相変わらずスペルは間違っていたが。

「凄いっしょ!?」

「赤也、」

「はい?




「今度は2人で作ろうな。」




俺の心は雪一色!
(わわわわ!なんやコレ!)(謙也さん、びびりすぎッスわ。)
____end



うわー!赤也かわいいよ赤也!
柳さんと赤也でっていうリクエストをさせていただきました!うきゃー!←
改めましてぴよけいちゃん、リンクと素敵文章ありがとうございました!








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