「…………」
「ん?どうしたの、卵持ったまま難しい顔して」
「……私にはこの卵を割るなんて出来ない。英二やって」
「え、まぁ良いけど…何で?」
「だって…私はまだお別れしたくないんだもん…っ」
「えええええ」
「ちょっと英二、何女の子泣かせてるの」
「不二!し、知らないよ。何か名前が卵割りたくないって泣き出して…」
「卵?……フフッ、なるほどそういうことか。名前も考えたね」
「不二も出来ないでしょ?」
「うん、確かにそう考えると何と言うか…罪悪感が芽生えるよね」
「あーやばいわこれ。部活の時姿見たら泣きそう。てか絶対泣く」
「さ、英二。オムレツの卵割って」
「え?あぁ、うん」

こんこん、ぱかっ!

「あっ」

かっかっかっかっ、じゅー

「あーあ英二、大石殺しちゃった」
「さよなら大石…あんたのことはずっと忘れないから」
「は?大石?大石なんて此処には…!!」
「鮮やかな手付きだったよ英二。お見事」
「えっ…ええええええええええ!なっ、そーゆーことかよ!」
「さっ!早く大石食べよー」



オムレツを作るための卵が大石の頭に見えて仕方ないヒロインと不二。因みに「かっかっかっかっ」は卵をかき混ぜる音です。




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