※会話文




「綾部先輩。」
「なぁにトモミちゃん?」
「いい加減、やたらめったら穴掘るのやめて頂けませんか!」
「穴じゃなくてた・こ・つ・ぼ。」
「どっちでも良いですよそんなの。」
「それに、やたらめったらじゃないよ。トモミちゃんの通りそうな所を重点的に掘ってるだけだもん。」
「尚悪いです!なんですか、嫌がらせですか!?」
「違う違う。たこつぼに落ちれば、恋にも落ちるかなって言う実験。」
「落ちるかァ!」
「わぁ、怖い顔。」
「くノ一長屋にまで侵入して掘った所為で、私だけじゃなく他の子も被害に遭ってるんですからね!」
「トモミちゃん落ちたの?」
「あれだけ掘られてたら誰だって一回くらいは落ちます。」
「……恋には」
「落ちてません。当たり前でしょう。」
「えええぇ。」
「ていうかどう考えたらその独自の理論に辿り着くんですか。」
「そうか、じゃあ次は一緒に落ちてみよう。」
「聞いてないし…って、え?待って下さい、綾部先輩何で私の腕掴んで」
「よいしょー」
「っきゃあぁぁ!?」


どす、ん


「いったぁ〜」
「頭打っちゃった。」
「もう先輩!何するんです…か……」
「どうしたの?」
「ち」
「ち?」
「ちちっ、近いです!顔!身体も!」
「まぁ、狭いからね。おかげでトモミちゃんの顔も良く見えるよ。」
「ちょっ!それ以上顔近付けないで下さい!」
「あれれもしかしてトモミちゃんドキドキしてる?」
「!」
「実験だーいせーいこーう。」
「違います!落っこちてドキドキしてるだけで恋になんか、恋になんか…!」






Fall in!




「そうよだってあんな近くに先輩の顔があったんだもの、仕方ないことよ。確かに男の人なのに長い睫毛とか大きな瞳が綺麗で、細い見た目の割に意外としっかりした体つきしてるなとは思ったけど、断じて違う。このドキドキは恋じゃないのよ!」

「トモミちゃん…」
「何かあったのかしら…」




なのにどうして、
まだこんなにも心臓がうるさいの
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -