潮江文次郎の女装について


「潮江先輩。」
「な、なんだ。」
「女を舐めてらっしゃるんですか?」
「うぐっ……そういうわけではないが…仕方なかろう、俺は女装が苦手なんだ。だ、だからこうして」
「はいはい分かってますよ。でもあんまり期待はしないで下さいね?」
「あぁ。」
「お化粧は落とさないで結構ですよ。そのままの方がどう違っているか分かり易くなりますから。」
「分かった、じゃあよろしく頼む。」
「まずは…そうですね、白粉はちょっと塗りすぎですね。」
「そうか?」
「今の半分くらいでいいですよ。あと紅ももう少し薄く…」
「ううむ、紅の塗り方が一番分からんのだ。」
「これだと唇からはみ出てますから…ちょっと拭いますね、先輩は鏡見てて下さい。お手本に塗りますから。」
「お、おう。」
「紅の量は小指に少し乗せるぐらいで、先輩の唇がここですから、こう…」
「(どきどきどきどき)」
「まず唇の真ん中に乗せて左右に薄く伸ばして、そしたら上唇と下唇をこう、んっ、てくっ付けて馴染ませて」
「ん、ん…?」
「そうです。で、紅押さえか懐紙で余分な紅を落として下さい。」
「おぉ…!」
「それで大分違いますよ。あとは頬紅を頬骨のここ辺りに乗せてやれば大丈夫です。」
「なる程…。」
「この要領でやれば少しは良くなる筈ですよ。」
「分かった。化粧を落としてもう一度言われたようにやってみる。」
「ふふ、頑張って下さい。…って、ああ!そんな手拭いでゴシゴシしちゃ駄目です!」
「そうなのか?」
「そうですよ!ほら、荒っぽく拭うから肌が赤くなっちゃってるじゃないですか。お肌は繊細なんですよ、潮江先輩と言えど。」
「ちょっと待て、俺と言えどってどういう意味だ。」
「…さぁ。」
「お前なぁ…」
「手拭い貸して下さい、私が落として差し上げますから。」
「じゃあ…頼む。」
「さ、目閉じてて下さいね。」
「あぁ。」
「はい、拭いますよー。」
「……。」
「……。」
「…トモミ、」
「何ですか?」
「その、…悪いな。色々。何か礼を」
「良いんですよ、普段鍛練のお邪魔させてもらってますし。」
「いやしかし」
「潮江先輩」
「…何だ?」
「先輩ってこうやって黙って神妙にしてれば、結構格好いいですよね。」
「?何言って…」


ちゅう



「ッ!?」
「お礼はこれで充分です。」
「ちょ、ちょっと待て…いいい今何を」
「はい、終わりましたよ、後は頑張って下さい!」
「あっ!待てコラ逃げるな!」






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昔のお化粧とかどんなんだったんでしょうね。
とりあえず文次郎から唇を奪えて満足(●^o^●)




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