「所詮、相容れぬのカ…?」


金に煌めく髪が溜め息に揺れる。

長生種と短生種という彼にとっていつからか無意味な隔たりとなりつつあったものは、彼女への想いを募らせる度に重くのしかかっていた。

紙面に四角く切り取られた彼女は、あの頃と変わらず凛とした表情を飾っている。
まるで自分とは違う世界の住人のように。

しかし、確かに彼女は居たのだ。
呼ぶ声でさえ今もはっきりと思い出せる。
鮮やかな紅茶色の髪とラピスラズリの瞳が白い肌に映える美しい顔立ちも。
全て本当だった。
彼女は偽り無き聖女だったのだ。



「…エステル。」




そうして彼はまた在りし日を思い返しては溜め息をつき、中性的に整った顔を曇らせるのだった。

(今でも貴女を想っています)




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意味が分からない?
ふふん、意味なんか無いですから!←
強いて言うならエステルを想う閣下。
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