※現代?
甘い言葉が欲しかったわけじゃない。
だって最初っから期待してなかったし、それに彼は所詮私に言い寄る大勢の男の一人だもの。言われたところで彼という存在が私の中でどうなるわけでもなかった。
「死んでも一緒に居てあげる。」
不思議なことだけど貴方の言葉に、"何様よ"なんていつもの私らしい言葉も出なくて、ただただ込み上げてくる涙を拭うことすら出来なかった私は寂しかったのだろうか。
抱き締められて彼の服に吸い込まれた涙が布地の色を変えていくのをぼんやりと眺めて思うのは、彼以外に付き合っていた男達に一体どうやって別れを告げようか、それだけだった。
(ごめんなさい私の世界は色付いてしまったの)