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「誕生日、」
「?」
「おめでとう」
「…ああ」
「ああって、お前相変わらず淡白だなぁ…」
情事のあと、ベッドのピロートークも後半に差し掛かった所で、俺も眠気がきたからそんな反応しかできなかったのが恋人は不満らしい(そうでなくとも常に反応は淡白だが)。ザックスは大きな手で俺の頭を撫で梳いてくれる。その感触が心地良くてまた眠気が襲ってきた。
厚い胸板にぐりぐりと顔を押し付けると、ザックスの苦笑が頭上から聞こえてくる。
「自分の誕生日、嬉しくないのか?」
何か昔っから反応変わらないよな、と言われ、確かに、と同意した。
「アンタが祝ってくれたからそれが嬉しかったのであって、だからといって自分の誕生日自体が嬉しい訳じゃないな…」
「ふーん、そんなもんかねぇ」
抱き寄せられ、ザックスが俺の額に顔をくっつける。ちゅ、と霞む唇に、自然と俺も唇の端がつり上がった。
「でも俺はクラウドの誕生日、嬉しいけどな」
「?」
「だって、お前が産まれてきた日だぞ?それだけで、俺はすげー嬉しい」
嗚呼。
ほら。
だから、俺は、
「………ほんと、アンタは…」
「ん?」
「何でもない」
アンタがそうやって。
衒うことなくくれる言葉や想いが嬉しいから。
アンタが俺の分も、喜んでくれるから。



だから。



「ハッピーバースデイ」
「…ん」
「クラウド…」
「ん?」
「愛してる」
「……ん」







ハッピーバースデイ



*happy birthday dear Cloud!



2011/08/11


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