※7+13。クラウドとライトが双子の兄妹でセラが二人の妹な話。時間軸的にED後。ちょっとだけネタバレ有。


珍しく朝帰りをすると、そこには双子の妹が一人朝食を摂っていた。セラはまだ夢の中らしい。日曜だからか、ゆっくり休んでいるようだった。
俺と同じで料理が壊滅的な双子の妹のことだ、きっとセラが作った残り物でも摘んでいるのだろう。とりあえず何となく気まずい空気の中、リビングに足を踏み入れる。
「…ずいぶん、遅い帰りだったな」
サラダをフォークで摘みながら、妹は皮肉たっぷりにそう言った。今更言い訳をする気もないので、素直に同僚のザックスと朝まで飲む羽目になり、付き合わされたとそう告げた。
「セラとの約束だけは、すっぽかすなよ」
言われて、暫し思考する。そういえば、飲みに行く前に今日の昼頃スノウの誕生日プレゼントを買いたいとかで付き合ってくれと言われていたのを、今の一言で思い出した。
「忘れていたのか?約束一つ守れないなんて最低だぞ」
強くそう言われた。俺もそうだが、双子の妹は特にセラに甘い。厳しい部分もあるが(例えばスノウと付き合う時も散々反対していた)、大概のことは甘受している。早くに両親を亡くしたセラにとって、妹が半面母親代わりのようなものだった。
それ故、なのだと思う。お陰で異性の俺は、家族の大黒柱なのにも関わらず、少し肩身が狭い始末だ。
そんな双子の妹は、俺と同じ軍人だった。普段なら日曜でも軍服に身を包み、朝早く一人出勤している所だが、恰好がいつもと違う。
「その恰好、デートか?」
「げほっ!?」
どうやら図星らしい。
「年下の、確かホープとか言ったか…子供をあまり遅くまで連れまわすなよ」
「う、うるさい!シャワーでも浴びてその酒臭いのをどうにかしてこいっ!」
顔を赤らめる妹のリアクションに一人笑っていると、今にもナイフとフォークを投げられそうな勢いだったので、そうされる前にさっさとバスルームへと退散した。
上半身半裸になった所で、不躾にバスルームのドアが開かれる。そんなことをするのはこの家に妹しか居ない。
「テーブルに、お前の朝食を用意しておいた。上がったら、すきっ腹に少しはいれておけ」
別にわざわざ教えてくれなくとも、互いにそこまで子供ではないのだし、放って置いてくれても構わないのに。怒ったような照れたようなそんな口調で、妹は告げた。
何だかんだで、俺にも甘い部分があるようで、こんな所が愛おしいと思う。
「エクレール」
今は捨ててしまった妹のほんとうの名を呼べば、更に頬を赤らめて妹は振り返る。
「…何だ?」
「ありがとう、気をつけてな」
そう言って俺が微かに笑うと、妹は勢いよくドアを閉めていった。素直でない所は、俺とそっくりだ。
やれやれ、と息を吐きながら下半身に纏っていたものを全て洗濯機に突っ込んで、俺は酔いを醒ますべくシャワーを頭から浴びた。



何気ない朝の一コマ



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ライトさんとクラウドって中身と見た目が似てるよね、っていう妄想。双子でもイイジャナイ!



2010/07/15


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