※DFFの810?小噺「どうしてこうなった」の微続き


先日、スコールが突然女の子になった。子、ていうには俺より相変わらず身長でかいし切れ長の目はそのままだったからどちらかといえば美女と部類される方なんだけど、そんなこんなで一回致してしまった。俺の方が男なのに、決定権はすべてスコールに持ってかれたまま、女になってもスコールに負けた。そんなこたぁこの際どうでもいい。とりあえずは気持ち良かったから。アレだ、ああいうのって移るモンなんかな。何で、とさっきから俺の頭にはそればっかりだ。スコールもこんな気持ちだったのかな。

ふに。

「自分にこれがついてもなぁ…」
思わずぼやく。スコールがあの時涙目ながらにテントから出てきたのがよく解った。からかって悪かったっス、と謝った所できっと元には戻らないんだと思う。しかし、ほんとに。
「どーすっかなぁ…」
とりあえず服の隙間から見える僅かな膨らみを自分で触ってみたりしていると、テントの外に人の気配を感じた。何かもう隠すのも面倒になって立ち上がり、外へ出ようとすると。
「…ティーダ?」
金糸に蒼碧の瞳。クラウドだった。僅かに目を見開きはしたものの別段驚くことはなく、視線がどうしたんだといってくる。俺は困ったように頬を掻くと、原因が解らないんだと素直に告げた。
「移るものなのか?」
「それが解れば苦労しねぇっス」
盛大に溜息を吐けば、それもそうだな、と腕を組んだクラウドが頷いた。
「何でスコールは元に戻ったんだ?」
「えっ…?と……」
あの時の行為を思い出してつい顔を背けた。スコールの柔らかい身体の感触(まぁ主にお胸様)とか汗を垂らしながらも鋭利な目を細めた中に垣間見えた快楽に染まった青灰だとかを一気に思い出して、思わず身体が疼いた。うわ、俺ってこんなに変態だったっけ?
クラウドがそっと頭を撫でてくる。俺の身長は女になったことで幾分か小さくなったようで、普段はあまりクラウドと変わらない目線が少し見上げる形で見つめていた。クラウドの目はいつ見ても不思議な色で、撫でられながら見上げた瞳は綺麗だなと思った。すると、そのままテントの中で押し倒される。
「え…?」
ワンテンポ遅れて反応を返せば、クラウドは人の悪い笑みを浮かべてにやりと笑った。
「誘ってるのか?」
どこかの誰かさん(無口で無愛想な、壁とでも話してるんだなと言ってるお前こそ壁と人とのコミュニケーションを話してるんだなな17歳男)と同じような台詞を吐いていますのこと?うろたえていると、無骨なクラウドの指が俺の首をそっとなぞる。何だか急に不安になって、声を出すことも出来ずに心の中でアイツの名前を叫べば。
「…今すぐその首を飛ばしてやろうか?」
クラウドの向こう側に見えたアイツは確かに騎士のようにかっこよく見えた。女だった時も美人だったが男でもやっぱりスコールはかっこよくて美人だなって、クラウドに押し倒されながらそう思う。クラウドは暫しスコールを肩越しに見つめると、あっさりと離れた。悪かったな、とあまり反省していない様子で一言謝った後にさっさと帰って行った。一体何しに来たのだろう、と思わずぽかんとした。ガンブレードをしまうとスコールは呆気にとられた俺と目線を合わすべくしゃがんで服の前の部分を極力閉じようとする(まぁデザイン上前をしめることは無理なんだけど)。
「…油断してるから、ああなるんだ」
少し苛ついた様子でスコールは吐き捨てるように言った。でも心配してくれたのが嬉しくて、にまにま笑っていると額を小突かれた。
「今日はもう、テントから外に出るな」
「えー?」
「その格好でうろつかれたら…」
「うろつかれたら?」
「…何でもない」
スコールはこう見えて、独占欲が強い。でも、それが俺は嬉しい。何だろう、今女になっちゃってる所為かすっごいスコールとシたい。ちゅーもハグも、たくさんしたい。女っていっつもこんな気持ち抱いてるんだろうか。自分が女になるのは嫌だけど、でもスコールの為なら良いかもしれない。
「それにしても、」
「?」
「…小さいな」



ビキッ。



大きい小さいは関係ない




とは思うけど、言われたら言われたでやっぱりムカツキ。
クラウドの目の前でわざとスコールはしばらくお触り禁止!と大声で怒鳴ってやった。


※元ネタは某方のにょティダ。あまりに可愛くて←



2010/09/05


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