※現パロ・高校生


「ああー、また外れたっスー」
いつから一緒に居るようになったのか、もう正確にはあまり覚えていないけれど。
風通しの良い屋上で昼休み、フェンスに寄りかかりながら。夏になるとティーダは決まって食堂にアイスを買いに行く。
食べ終えたアイスの棒には、ハズレと書いてあった。そのハズレの文字を見て、ティーダは大げさに落胆する。そんなに落胆することだろうか。
スコールからすれば、その程度のもの。そんな空気が伝わったのか、ティーダは俯かせていた顔を上げてスコールを見上げた。
「解ってないっスねー、スコールは。下らないものこそ男は燃え上がるモンっスよ!」
(…悪かったな、そういうのに興味がなくて)
このように、性格は正反対。なのに、何故、一緒に居るのだろう。
そんなに何が楽しいものかとスコールからすれば聞きたくなるようなものでも、ティーダにとっては楽しいらしい。
やはりそんな幼馴染を理解できないのか怪訝な目で見つめていれば、ティーダは無邪気に笑っていた。
「だって、何十分の一っていう確率で当たりを当てるって、何か気分良くないっスか?」
そういう類のものに挑戦なぞしたことがないから、感覚としては理解できない。
「んでさ、当たりが当たったら一本おまけで貰えるからさ、その時は、スコールと一緒に、シーソルトアイス、食べたいんだ」
なんて、衒うことなく笑うその笑顔に。今度は、自分もくじ付きアイスとやらに挑戦してみようか、なんて。
柄にもなく、そう思った。



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2010/07/15


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