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「すみません…やっぱり人の視線が気になるんです」
「ならボールに戻れ。少しずつ慣れればよいであろう」
「そーそー。無理はダメだよ」「っはい、じゃあ失礼します…」
素直にボールに戻ったところを見ると、よほど人の視線が痛かったのだろう。
少しずつ、慣れよう。
つん、とボールをつつけば、カタカタと控えめな返事が。
「よし、ハギ老人…あれ?」
ちょっとまて。
ハギ老人は確か昨日…
「帰った、よな」
「うっそおぉおぉぉ!?」麗音の今日一番の衝撃。ガーンと効果音がつきそうな勢いで凹んでいる。
代弁してくれてありがとう麗音…じゃなくて、そうじゃなくてですね。
「カイナにどうやって行こう!?」
「カイナはおろか、ど こ に も 行けないぞ」
「ぴーこちゃああぁん!!」
麗音はとうとうおかしくなったようだ。
ムロは島ですから。移動手段なんてたかが知れている。
「よし、麗音!」
ビシッと音がたちそうな勢いで、麗音をご指名したライラ。
「ぴーこちゃn…何?」「チルタリスに進化しろ」
「無茶いうなあああぁ!!」「…なるほど」
「え?ちょ、納豆!?」
『…ナットク』「そうそうそれそれ」
ぎゃあぎゃあ言っているうちに、港についてしまった。
…泳ぐか?
「やめとけアホ」
「…!?ま、まだなにも言ってn
「泳ぐか、と思っただろ」…エスパー?榮輝ってエスパー?」
正真正銘、炎・格闘です。
『すみません…私がちゃんと泳げたら…』
「瑞稀のせいじゃないよ悪いのは…」
一瞬言葉につまる。みんなの視線が痛い。
…誰が悪いんだっけ?
あ、あの時ハギ老人に「お疲れ様」と言って帰らせたのは…
「私ですすみませんしたあぁ!!!!!!」
華麗なジャンピング土下座を決めるライラだった。
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