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「しまった…」

『迂闊だったな』

洞窟にはいって気づいた。
『まーっくら…』

そう。一寸先は闇とはこの事であって、フラッシュがなければ何も見えないのである。

「フラッシュ…誰も
使えないよね」

トウカの森のように松明を作ろうにも、もともと海辺で植物が少ないし、流木は湿っている。

『道はあるのに、袋小路ですね…』

『うまい!!…ってそうじゃなくて!どうする?』

『どーにも。お手上げ』






カツン、
『ん、今なんか聞こえた』

「ちょっ、こんなときにやめてよ麗音!」

あわてて榮輝をボールから出す。榮輝もライラの意図がわかったのか、口から火の粉を少し出した。
わずかばかり明るくなったが、気休めにしかならない。

カツン、

『わたしにも聞こえました!』

カツン、

『聞こえた。…ただの人間ならいいが…』

カツン、カツン、

「聞こえた!!え、危ないひとだったら…」

何とかする(します)!

頼もしいよキミたち!!

カツン、

心臓がうるさい。

カツン、カツン、カツン、

『右!』

『光ってますね』

右から光の玉が向かってきた。

カツン…

『っ光が消えた!?』

まさかの奇襲!?

「構えて榮輝」

『了解…』



しーん。





「へ?」



ぬっ、と隣に気配が。




「やァ」

「にぎゃあああぁぁ!!!!!」

にぎゃあああぁぁ

にぎゃあああぁぁ

にぎゃあああぁぁ


洞窟中に意味不明な叫び声が響き渡った。



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