▼冷やし中華、始めました。(咲闇)

トントントン、小気味よく包丁とまな板が音を立てる。細長く刻まれたふわふわの黄、しゃきしゃきの緑、さっぱりした酸味の赤。目を細めて湯気の立つ鍋をかき混ぜ、歯ごたえを残した麺を氷水で一気に冷ます。夏だなあ。呟くライラを横目に、咲闇は少し、おどけてみせた。
「冷やし中華、始めたばい」



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