「ジェジン!ごめんね、遅くなっちゃって。」
「こはる、お疲れ様。はい、これ。」
「え?」
目の前に差し出された小さなブーケ。ニコニコ微笑みながらジェジンが私をブーケごと抱きしめた。
「こはるによく似合いそうだったから。」
「…ありがとう。嬉しい…。」
ギュッとジェジンの腕を掴んで距離を取ると顔を覗き込まれる。そのままゆっくり近づくから慌てて一歩後ろに下がる。目を大きく見開くジェジンは不満顔。
「なんで?」
唇を尖らせて明らかに不機嫌な口調で言うけど、ここ会社の目の前!いつどこで誰が見てるか…キョロキョロ辺りを見回すとユチョンがニヤついた顔でビルの窓から手を振った。
「あれは無視。ほらみーんな見てる。ね?ダメ。日本人はあんまり外ではキスはしないの。分かった?」
「わかんなーい。俺韓国人だもん。」
「ジェジン!」
「冗談。こはるの嫌がることはできないよ。じゃあ行こう?」
スッと私の右手を取るジェジン。本当は手を繋ぐことすら恥ずかしいけど、でも今は嬉しい気持ちのが勝ってしまう。結局のところ、私もジェジンを愛している事実には変えられないんだって思うんだ。これがユノやジュンちゃんだと違和感ないんだろうけど。あの日ジェジンを選んだなら私もジェジンの気持ちを大事にしなきゃだもんね。
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