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「勇征、勃ってない?ゆき乃にハグされて。」
「ちょ、変な事言わないで!そんな訳ないでしょ!」
勇征ちゃんが真っ赤な顔で私から離れようとするから思いっきり更に抱きついた。
「や、離れないで!勇征ちゃん!」
「…ゆ、ゆき乃…、大丈夫、だから。なっちゃん変な事言うなよ、もう。」
「ほんとだよ。クソ迷惑。俺のだから、ゆき乃は。」
ほら、まこっちゃんが乗っかる。こうなったらもう私はまこっちゃんから逃げられなくなるんだから…だから勇征ちゃんにくっついてたのにもう。なっちゃんの馬鹿。
ケラケラ笑ってるソファーの3人が超絶憎たらしい。
「なっちゃん嫌い。」
「ふは、嫌われてやんの、」
朝海が笑いながらなっちゃんの髪を指で触ると、心地良さげに目を閉じるなっちゃん。やっぱりこの2人がカップルだなーなんて思った。
健ちゃんは、朝海の事が好き、なんだろうか?
私たちは仲良しだけど、思いの外そんな恋バナはあんまりしないよなぁなんて客観的に思っていた。
平成最後のクリスマスイブ、私の耳に2つ目のピアスホールがあいた。
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