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ウェアに着替えてゲレンデに出ると人が沢山で。
「ゆき乃、はぐれないようにね。」
スッとまこっちゃんが私の手を取った。インナーカラーの青が雪の上だといっそう寒そうに見えて、色白のまこっちゃんは、グレーのウェアがとてもよく似合っていた。
「まこっちゃん、」
「うん?」
「手あったかい。」
「…ゆき乃?」
朝海に言われて色々考えてるけど答えなんてさっぱり見えてこなくて。勇征ちゃんに触れられると胸の奥がギュっとする。だけどまこっちゃんみたいに好き好きオーラなんてカケラもみえなくて。
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